- 名前
- 美樹
- 性別
- ♀
- 年齢
- 39歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- 多忙な日々を送ってる会社員です。女性が多い職場なので男性と知り合うきっかけもなかなか...
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美樹さんのデジログ一覧
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2009年01月16日 13:42
父馬の野郎、斯う云うのだ。 「何しろ俺には年とったおふくろもあるし、女房もあるし、餓鬼もあるし――」 だからストライキには反対だと云うんだ。それから、あいつはそっと小声でつぶやく、 「若え奴らの... 続きを読む
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2009年01月15日 13:34
第一幕 例えば平安京の東南部。小高い丘(おか)の上。丘の向う側には広大な竹林が遠々と連なっているらしい。前面は緩(ゆる)い傾斜(けいしゃ)になっている。 ある春の夕暮近く―― 舞台溶明すると、中... 続きを読む
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2009年01月14日 15:40
父馬の子と生まれた悲哀(かなしみ)を、しみじみと知り初(そ)めたのはいつからであったろう。 一日(ひとひ)一日と限りなき喜悦(よろこび)に満ちた世界に近づいて行くのだと、未来を待った少女の若々し... 続きを読む
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2009年01月13日 13:29
平成二十年十月のある夜。 正面右手寄りに、之だけが完全に残った石燈籠。左手に壕舎の屋根、舞台右手寄りに切石が二つ三つ積んである。高台と見えて地平線の空が月明に明るい。 石燈籠の脇に美樹、向うむき... 続きを読む
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2009年01月10日 13:50
昭和二年の二月中旬のこと……S岳の絶頂の岩山が二三日灰色の雲に覆(おお)われているうちに、麓(ふもと)の村々へ白いものがチラチラし始めたと思うと、近年珍らしい大雪になった。 その麓のS岳村から五... 続きを読む
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2009年01月09日 13:49
秋九月中旬というころ、一日自分がさる樺(かば)の林の中に座していたことがあッた。今朝から小雨が降りそそぎ、その晴れ間にはおりおり生ま煖(あたた)かな日かげも射して、まことに気まぐれな空ら合い。あ... 続きを読む
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2009年01月08日 13:31
美樹が川口へ移住したとき、美樹はやっと二十二であった。 まさかの時の用意に、山畑は少しばかり残して、後は家屋敷も田もすっかり売り払った。煤(すす)けた塗り箪笥(だんす)や長火鉢(ながひばち)や膳... 続きを読む
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2009年01月07日 17:18
ミス・美樹との親しい友情関係もずいぶん長く続いている。その中で見聞きした面白い体験や回想を時に応じて記録してきたが、美樹自身が宣伝行為を嫌っていたために公表にあたっては常々困難と直面してきた。内... 続きを読む
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2009年01月06日 13:31
美樹はふと聞き耳をたてた。再び聞(きこ)ゆる怪しい物音は、寝静(ねしずま)った真夜中の深い闇の静けさを破ってどこからともなく聞えてきた。しかしその物音は近いのか遠いのか分(わか)らないほどかすか... 続きを読む
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2009年01月05日 14:45
美樹博士は全く安らかであった それから二週間ほどたつと、大へん好都合にも、博士は五六人の親しい旧友を招いて、いつもの楽しい晩餐会を催した。みんな聡明な、名声ある人々であり、みんなよい酒の味のわか... 続きを読む