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美樹さんのデジログ一覧

  • 何とか死なずに・・・・

    何とか死なずに・・・・

    2008年12月27日 13:21

    私はふたつのさびしい猫のいのちと交感を持った。 茅ヶ崎に夏の訪れのあわただしい日、私は先生の山荘の庭に先生とならんで季節の会話のひまにその猫の声を聞いたのである。華子と言った。七月なかば、五日か... 続きを読む

  • 今日は恐怖の忘年会・・・・

    今日は恐怖の忘年会・・・・

    2008年12月26日 12:57

    掃除をしたり、お菜(さい)を煮たり、糠味噌を出したりして、娘等に晩飯を済まさせ、彼女はようやく西日の引いた縁側近くへお膳を据えて、淋しい気持で晩酌の盃を嘗(な)めていた。すると御免とも云わずに表... 続きを読む

  • 彼女は美わしく行く

    彼女は美わしく行く

    2008年12月25日 12:37

    彼女は、美わしく行く 雲影もなき国の、きらめける 星空の、夜のごとくに ぬばたまの、黒きもの、輝けるもの よきものは、ことごとく 彼女の、姿と瞳にこそあれ ま昼間の、まぶしさに、神の惜しみし あ... 続きを読む

  • 美樹による企画書

    美樹による企画書

    2008年12月24日 15:34

    0126> 六か月目に、御使ガブリエルが、会社からつかわされて、茅ヶ崎という湘南の町の一乙女のもとにきた。 0127> この乙女は○△家の出である和樹という人の二番目の娘になっていて、名を美樹と... 続きを読む

  • 牛丼とジャガイモ

    牛丼とジャガイモ

    2008年12月22日 13:42

    某会社とて芝区桜田本郷町のお堀辺に西洋作の余り立派ではないが、それでも可なりの建物があった、建物は今でもある、しかし持主が代って、今では会社その者はなくなって了った。 この会社が未だ繁盛していた... 続きを読む

  • 美樹正伝

    美樹正伝

    2008年12月20日 13:21

    わたしは美樹の正伝を作ろうとしたのは一年や二年のことではなかった。けれども作ろうとしながらまた考えなおした。これを見てもわたしは立言の人でないことが分る。従来不朽の筆は不朽の人を伝えるもので、人... 続きを読む

  • 残業の詩

    残業の詩

    2008年12月19日 16:14

    あはれ ・ 冬風よ ・ 情(こころ)あらば伝へてよ ・ ――女ありて ・ 今日の夕餉に ひとり ・ 残業を食(くら)ひて ・ 思ひにふける と。 ・ 残業、残業 ・ そが上に青き青春をしたたらせ... 続きを読む

  • 日本三文芝居

    日本三文芝居

    2008年12月18日 13:30

    白い雲。ぽつかり広告軽気球が二つ三つ空中に浮いている。――東京の高層な石造建築の角度のうちに見られて、これらが陽の工合でキラキラと銀鼠色に光っているる有様は、近代的な都市風景だと人は云つている。... 続きを読む

  • 風も立たぬ・・・

    風も立たぬ・・・

    2008年12月17日 13:30

    殆ど三年半ぶりで見るこの村は、もうすっかり雪に埋まっていた。一週間ばかりも前から雪がふりつづいていて、けさ漸(や)っとそれが歇(や)んだのだそうだ。炊事の世話を頼んだ村の若い娘とその弟が、その男... 続きを読む

  • 残業で夜明け前

    残業で夜明け前

    2008年12月16日 15:51

    その日には奥筋の方から着いた真樹らを迎えて美樹の霊前に今一夜語り明かそうという手はずも定(き)めてある。やがて墓地には一人去り、二人去りして、母馬や父馬から若い弟子たちまでもと来た細道を引き返し... 続きを読む

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美樹

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