仲良く不倫56／わだかまり

人には恵まれている・・・遥子からよく聞く栄治の人となりを歩美は思い出す

「人徳」
「それは有りません。だって次々にこうして不倫三昧ですよ」
「それこそ人徳ではないかしら。つまらない男に抱かれる女は居ません」
「身体と性格以外に口も上手いのですね、歩美さんは」
「いいえ違う」
「お礼を言って置きます、有り難う」
「どう致しまして」


「遥子に言いますか？」
「言わない」
「遥子に悪いと思わない？」
「それは・・・思う」
「それでも抱いて貰いたい、苛めて欲しい？」
「えぇ」
「歩美さんのその素直な所がいい。分からない様にこれからも会いましょう」
「はい」
「まだふら付く？」
「えぇ」

歩美は脚だけでは無く、まだ手も痺れていた
「私が洗って上げましょう。石鹸は使わない方がいいね？」
「義母が居ますから」
「少しだけ舐めていい?」
「ええ!」

「また、こんなに・・・直ぐ出そうなので入れていい?」
「来て」


浴槽の縁に手を付く歩美の後ろから、栄治は手で掴むと差し入れた
すぐと言ったにしては、長い時間を掛けている
「また来る、一緒にお願い、逝くからきて、あぁー」
「うっー、出るー」

「ご免、また洗わないと。歩美さんのを見たら堪らなくなって」
「もう一度流してあげます」



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前回の続きで歩美と利幸の夫婦、それに遥子が長野の温泉に来ていた
この三人には、それぞれが口には出せないわだかまりがある
それはまだ結婚前のこと・・・

「遥子、まずいよ。隣の歩美に聞こえる」
「あれだけ飲んだら平気。昔から歩美は朝までぐっすりよ。その事は利幸さんが一番知っているでしょう？」
「そうだけど。しかし、遥子とこうするのも久し振りだな。何年になる？」
「私が結婚してからだから１４年よ」
「そんなになるのか。でも、毎日していたな」


利幸にこうして抱かれていると、遥子にはついこの前の様に感じられる
高校の授業が終わると、利幸のアパートに行って帰って来るのを待っていた
初めて行った時にされてしまったんだ、こいつに
私も期待していたけれど、セックスは毎日だった
こいつは女にもてたから、毎日抱いて貰らわないと不安だった
あの頃が一番楽しかった・・・あの頃に帰りたい


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