あこがれ90

ノックをすると浴衣姿の久美
ウォッカとマンゴーのジュースに氷、それにワインとチーズの塊を持って入る
テーブルには、ビールとおつまみに冷酒、グラスが既に載っていた
向かい合って座ると、ウォッカが好きなのか聞いている
「本当はワインが一番好きなのですが、低アルコールを多く飲むと鼾が煩いらしいので、成るべくウォッカやラムにしています」
「へー、ラムも飲まれるの？」

先に携帯の番号とメールのメモを渡し合った
「私もワインは大好き」
「ボルドーを良くお飲みになるの？」
「父に仕込まれて、兄弟で何時もメドックなんです」
「私には渋さが強くて、もっぱらブルゴーニュ・・・何でも好き」
結構知っているので飲みながら、ワインの話が続いてしまう
直ぐに一本が空き、車に戻ってもう一本取って来て、それも無くなり次はウォッカとマンゴーのカクテル

「これ、とても美味しい。何杯でも飲んでしまいそう」
「甘くて飲み易いけれど、お尻に来ますよ」
「腰じゃ無くてお尻？」
ケラケラと笑う久美
悪い男は昔からカクテルを目指す女性に勧め、気が付く前に酔ってしまい、足が閉じていられなくなり、オーケーしてしまう

「貴方も、もっぱらその手をお使いに？」
「大昔に止めました」
「じゃ今は？」
「手も足も出しません」
「じゃさっきのお風呂は？」
「久美さんが悪い」
「確かに。でも使用中になって無かったしロックもして無かったわ」
「見てしまった弱みに付け込んだのは貴方の方」
「でも、一緒にと言った時に断る事も出来ましたよ」
「そうね。一緒にって何故声を掛けて下さったのかしら？」


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