- 名前
- ハラス
- 性別
- ♂
- 年齢
- 63歳
- 住所
- 長野
- 自己紹介
- 想像(創造)力は人生における最高のスパイス!ログでも貴女をいかせます。
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オカマ人生の悲哀
2008年04月30日 09:43
(続き)
「お早うございます!」
俺とも目を合わせ、いつものようにニッコリと微笑む彩美ちゃん。かっ、カァイィ~!
ズギュンと下半身が疼く。俺だけに向けた笑顔ではないと承知しながらも、こんな娘とコンパといえど一夜を共に過ごせるなんて、あぁ、この会社でよかった。
俺と彩美ちゃんを採用した役員連中に金一封!俺と彩美ちゃんを日本人にして出会わせた神様にサンキー!
心の中で、今夜の君は俺のもんだぜ、と呟きつつエレベーターに乗り込む。
終業時刻まであと1時間、気もそぞろとなり時計ばかり眺めていると、
「お~いっ、犬崎ぃ~」 と、課長に呼ばれデスクの前に。
「悪いがこの資料作り直してくれ。明日の10時までにな」
!!っ、明日ぁーっ?
「あ、あの、今夜はヤボ用で早く帰りたいのですが・・・」
「あぁ~ん?ヤボ用なら構わんだろ。どうせ女と酒飲むぐらいだろ、残業して直せよ」
くそっ、馬鹿課長、禿げ、デブ、ウンコ垂れっ!
謙虚に言ってる奥ゆかしい俺の心がわからないのか、日本人の感性がないのか、おまえにはっ!確かに当たってるんだけど・・・。
「ですが、どうしても10時まででないと、だめなのでしょうか?」
「だから会議の資料だろ、会議済んでからやってどうすんだよっ!ワンワンっ」
「は、はい、分かりました・・・」
なんでよ、この資料は先週始めに渡したのに、一週間も経ってからどうして注文つけるわけ?それも会議の前日にィ~っ!
席に戻る途中で俺と課長のやり取りを見ていた猪岡と視線が合い、奴がニヤリと口を歪めた。
っ!、おめえか、猪野郎!
1期先輩の猪岡、課長の腰ぎんちゃくでゴマすりマシーンのオタク野郎めっ!
誰からか今夜のコンパの事を聞きつけ、彩美ちゃんと楽しむ俺に嫉妬して、資料の粗探しをして課長に何か言いやがったな!
ほんとなら今頃は彩美ちゃんを囲んで盛り上がってるのにな、とパソコンのキーボードを叩きながら資料の手直しを進める。
時刻はすでに8時半だ。もう少しで終わるが、コンパの方もそろそろ終わるだろうしな。仕方ない、行き付けの店で一人酒でも。
「あらぁ~、いらっしゃいぃ。ワンちゃんお久しブリブリぃーっ!」
「だから、そのワンちゃんは止めてくれって。犬じゃないんだから」
「まぁ、ご機嫌斜めのピサの斜塔。怖いわねェ」
「くだらないオヤジギャグも禁止じゃぁー!」
1年前先輩に連れられて来たオカマバー。決して美人ではないママさん、柄本明似で髭の濃いママさんが時折語る人生哲学にオカマ人生の悲哀が垣間見れて面白い。たまに来る隠れ家なのだ。
ウダウダと下らない話をママさんとしながら、安い国産のウイスキーをやって気分がいくらか回復した頃、今夜二人目の客がドアを開けて入って来た。
「いらっしゃい~。どうぞ奥にね。怖くないから、このお客さんは」
「怖いのはママの方だろ!ったくゥ」
と、一見さんを振り返ると、彩美ちゃんだった。
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