- 名前
- ポマポマ
- 性別
- ♀
- 年齢
- 39歳
- 住所
- 大阪
- 自己紹介
- はじめましてこんにちは。 ポマポマといいます。 絵を書くのが好きで漫画など書いてます...
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樹刑 改
2012年07月13日 02:03
樹刑 改
少年が木になるまで
1
某地方裁判所第三審
法廷、やつれた少年が証言台に
立って証言している。
検事
「彼はナイフを隠し持っており殺意も明確、動機も短絡的で許されるものではありません。裁判長被告人には極刑を求刑します!」
弁護士
「ちょっと裁判長まってくださいよ。彼の主張を聞いてくださいよ。ね秋山くん言えるよね?」
「僕が殺したのはただの木だ。」
「人間が全部木に見えたんだ。
樹なら殺しても問題ない。こいつらに人間の血なんて通ってない」
ナイフを持って秋山は女子高生の背後からナイフを振りかざす。
弁護士
「証言のとおり、被告人は判断能力に問題を抱えており、刑法39条により無罪を主張します」
たまりかねた被害者の父親が
立ち上がり叫ぶ
「秋山!戯言はたくさんだ!神様だかなんだかしらないが娘を殺したのはお前だろ!第一審では罪を償いたいと言ったのは嘘だったのか?」
秋山は細い目で後ろを振り向きながら
「忘れてしまいました。」
父親は激怒して
「殺してやりたい!お前なんて生きている価値がない」
裁判長
「静粛にー」トントン
「君は樹なら殺してもいいそういったね?しかし、木も人も同じように生き物だ。木だからといってその命を否定することはできるかね?」
「あたりまえです。気に感情なんてありません。刺しても痛みはないし、枝を切ってもまた伸びます。」
裁判長
「なるほど、わかりました。
あなたはまだ17歳だ、今後生きて厚生することを希望する。ただし、人間としてではない。」
「判決!被告人、秋山には樹刑とする!これにて閉廷!」
「樹刑?」
2
留置場の面談室で弁護士と話している秋山。
「おい。無罪にならなかったぞ!
あんたの言われた通りに発言したのに。樹刑ってなんだ?」
「樹刑の詳細な内容は僕もしらない。ただ、死ぬことはないもちろん牢屋に閉じ込められることもない。至って自由な刑罰だよ。」
「ちっ!まあいいか、刑務所に閉じ込められることもないなら」
「そこでしっかり反省することだね」
夜の拘置所
秋山は部屋で足を組んで過去を
振り返っている。
「反省なんてしてたまるかよ。」
「俺は生まれた時から不幸だった。高校にもいかせてもらえなかった。それなのに何もしらないで幸せを見せつけてくる奴らがいる。そいつらから幸せを奪う権利が俺にはあるはずだ 」
秋山、外に出ろ!
刑務官に呼ばれて秋山は
部屋に案内される。
これを飲めといわれて飲む。
その後車で森まで連れてこられた
「さ、とっとといけ!」
「へ?」
「よくわからないがこれが樹刑なのか?」
走って逃げる秋山
途中で転んで木の根が身体から飛び出している。さっき腹に流し込んだ種が身体の中で芽吹いているのだった。体内を食い破って芽が育ち始める。
わあああ
3
朝日、森を歩いてくる一人の老人
「なんだこの爺は」
「やあ、目が覚めたかな?どうだい木になった気分は?樹刑者第一号」
「なんだこりゃ、う、」
「さすが、人間の身体を養分にすると育ちが早いのう」
「早く!出せ!」
「わしはこの森の管理人じゃ。」
「お前さんはこれから木になって罪を償うんだよ。お前さんの身体はどんどん木と同化していく。自ら抵抗することも、言葉を発することもできない。」
「死刑よりも残酷で、無期懲役よりも苦痛それが樹刑だ。」
「くそっ爺!早くここから出せ」
管理人は背を向けて歩いて行った。
4
しかし、彼の腹を突き破って
出てきた木の芽は元の身体をどんどん侵食していく。そしてどんどん大きくなっていった。
しまいには枝とかした指先から葉が生え、光合成までしはじめた。
不思議な感覚だった
自分の身体は腐敗して
どんどん吸収されていくのに
残ったのは右目と意識そして。
5
キツツキが一匹やってくる。
キツツキは木の側面にくちばしで
穴をあけ出す。
コンコンコンコン
キツツキがつつくと表皮から
地が吹き出る。ぎゃああああああ!
バサバサとキツツキは飛んでいく
「虫…?!」
すると腹部から何かうごめく感覚
もぞもぞ…
「何か身体の中で動いてる」
腹から白い幼虫が何匹か頭をのぞかせた。「ああああああ!」
この身体には痛みがあった。
抵抗することは一切できなかった。木の身体は人間以上にタフで
死ぬことはなかった。
樹刑とは
終わらない苦しみを味わい続ける
刑だったのか。
6
弁護士やってくる
「本当に気の気持ちがわかるんですか?」
「これを使うんです。補聴器」
主人公の前に二人がやってきた。
「安井?!」
安井は補聴器を木あてる。
「やいテメーこれはどういうことなんだ?本当に詳しいことしらなかったのか?」
「わ、本当に聞こえる!」
「これじゃあ刑務所にはいっている方がましだ!」
「最初から君を無罪にするつもりなんてなかったからさ」
「何?」
「僕は君に合うまで何人もの殺人者を無罪に導いてきた。生きて厚生さえることが神から使命だと思っていた。でも、自分が被害者になって自己欺瞞の正義によっている自分がきがついたのさ。」
「お前らは生きている資格もない、死さえ生ぬるい!」
「おまえ!はめたのか?」
ドスっ!安井は彼を蹴り飛ばした
「おら?痛いか?ああ?」
「痛いはずね~よな?お前はもう木なんだからな!!」
安井はズボンのチャックをおろした。
「ちくしょう!やめろ!うわっつ!」
「殺してくれ…早く殺してくれ…もう耐えられない」
「お前を殺す権利は俺にはない。その日がくるままっとくんだな。」
安井だけじゃなかった
夜中に時々、見ず知らずの人間がきて俺の身体に文字を刻み込んで行った。(シネ!殺人者!)
殺してくれ、早く誰か早く!
俺を楽にしてくれ!
捨てられたタバコから日が燃え移り出す。
「熱い!熱い!助けてくれ!
死にたくない!死にたくない!」
夢
駅の前
主人公は手にナイフを持っている。そして殺害したはずの少女が
目の前にいる。
「おい!あんた?」
「お願いだ!このナイフで俺を殺してくれ!」
「どうして?」
「あんたは俺に殺されたんだ!俺を憎んでるだろう?ほら、思い切り刺せよ」
少女はナイフを捨てる。
「私にはあなたの命を奪う理由はないもの。今日は誕生日だし、これからもやりたいこともたくさんあるし。あなただってそうでしょう?」
「……」
雨が降る
ざーっ
火は消える。
管理人がやってくる
「あぶなかったーもう少しで燃え広がるところじゃった」
ススまみれになって雨に打たれながら主人公は思った。
「あれほど死に憧れていたのに
火が迫った時、死にたくないと
思ってしまった。
殺す理由も殺される理由もなかったんだ…そんな単純なことに俺は気がつかなかったんだ。自分で死ぬ勇気もない、くそったれめ!」
ザー 雨が降っている。
それから何年という時が立っただろうか。俺は来るべき日を待った
二酸化炭素を酸素に変えることにつとめた
遠慮なく体に穴をあける鳥も
体中に巣食う虫たちも
抵抗感がなくなった。
それが償いになると信じて
そしてその日はきたのだった。
車椅子に押されて白髪の老人が
やってくる
「この30年で彼も反省したようです。あなたにはぜひ謝罪したいと」補聴器を持ってくる
「聞きたくもない。斧をくれ」
「あなた!大丈夫?」
男性は車椅子にから立ち上がり斧を片手に
「この日を待っていた、娘の敵!」
男性は斧を何度も振りかざした。
ガンツ!ガンツ!
「痛い…」
「でもこれでいいんだ」
ドサ~っという音とともに倒れる木。木の目が閉じている。
「残りはどうしましょうか?本人は椅子になりたいと」
「燃やしてくれ、こんなことをしても娘は帰ってはこない。」
樹刑とは、被告人を樹にすることで被害者の仇討ちを可能とする特別刑である。
凶悪犯剤に順次適用されたが
被害者の気持ちの
わだかまりは以前と同じく
残り続けるのであった。
このデジログへのコメント
中々面白い。
貴女のオリジナルなのかな?
> やせさん
オリジナルです。が、やせさんコメントされる前に以前、貴殿は私のログに誹謗中傷とも取れるコメントを残しておられませんか?私は覚えておりますが、その件についての弁解はなさらないのですか?
削除したのは自分が困ったからだろ。卑劣。メールにしないのは私にやましい事はなくこそこそしたくないので
> やせさん
五月十九日に私のログにあなたは、「哀れ、僻み」という言葉を使いコメントされています。この表現を冷静に考えても相手を卑下する表現としかとれません。メールしないのは相手にするのも虚しいから
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