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樹刑 プロット

2012年07月11日 01:21

樹刑 改

少年が木になるまで
1
地方裁判所第三審
法廷、やつれた少年が証言台に
立って証言している。
検事
「彼はナイフを隠し持っており殺意も明確、動機も短絡的で許されるものではありません。裁判長被告人には極刑求刑します!」

弁護士
「ちょっと裁判長まってくださいよ。彼の主張を聞いてくださいよ。ね秋山くん言えるよね?」

「僕が殺したのはただの木だ。」
「人間が全部木に見えたんだ。
樹なら殺しても問題ない。こいつらに人間の血なんて通ってない」
ナイフを持って秋山女子高生の背後からナイフを振りかざす。

弁護士
「証言のとおり、被告人は判断能力に問題を抱えており、刑法39条により無罪主張します」

たまりかねた被害者の父親が
立ち上がり叫ぶ
秋山!戯言はたくさんだ!神様だかなんだかしらないが娘を殺したのはお前だろ!第一審では罪を償いたいと言ったのは嘘だったのか?」
秋山は細い目で後ろを振り向きながら
「忘れてしまいました。」
父親は激怒して
「殺してやりたい!お前なんて生きている価値がない」
裁判長
「静粛にー」トントン
「君は樹なら殺してもいいそういったね?しかし、木も人も同じように生き物だ。木だからといってその命を否定することはできるかね?」
「あたりまえです。気に感情なんてありません。刺しても痛みはないし、枝を切ってもまた伸びます。」

裁判長
「なるほど、わかりました。
あなたはまだ17歳だ、今後生きて厚生することを希望する。ただし、人間としてではない。」
判決被告人秋山には樹刑とする!これにて閉廷!」
「樹刑?」
2
留置場の面談室で弁護士と話している秋山
「おい。無罪にならなかったぞ!
あんたの言われた通りに発言したのに。樹刑ってなんだ?」
「樹刑の詳細な内容は僕もしらない。ただ、死ぬことはないもちろん牢屋に閉じ込められることもない。至って自由な刑罰だよ。」
「ちっ!まあいいか、刑務所に閉じ込められることもないなら」
「そこでしっかり反省することだね」

夜の拘置所
秋山は部屋で足を組んで過去を
振り返っている。
反省なんてしてたまるかよ。」
「俺は生まれた時から不幸だった。高校にもいかせてもらえなかった。それなのに何もしらないで幸せを見せつけてくる奴らがいる。そいつらから幸せを奪う権利が俺にはあるはずだ 」

秋山、外に出ろ!
刑務官に呼ばれて秋山
部屋に案内される。
これを飲めといわれて飲む。
その後車で森まで連れてこられた
「さ、とっとといけ!」
「へ?」
「よくわからないがこれが樹刑なのか?これじゃまるで」
走って逃げる秋山
途中で転んで木の根が身体から飛び出している。さっき腹に流し込んだ種が身体の中で芽吹いているのだった。体内を食い破って芽が育ち始める。
わあああ

3
朝日、森を歩いてくる一人の老人
「なんだこの爺は」
「やあ、目が覚めたかな?どうだい木になった気分は?樹刑者第一号」
「なんだこりゃ、う、目以外は」
「さすが、人間の身体を養分にすると育ちが早いのう」
「早く!出せ!」
「わしはこの森の管理人じゃ。」
「お前さんはこれから木になって罪を償うんだよ。お前さんの身体はどんどん木と同化していく。自ら抵抗することも、言葉を発することもできない。」
死刑よりも残酷で、無期懲役よりも苦痛それが樹刑だ。」
「くそっ爺!早くここから出せ」
管理人は背を向けて歩いて行った。

4
しかし、彼の腹を突き破って
出てきた木の芽は元の身体をどんどん侵食していく。そしてどんどん大きくなっていった。

しまいには枝とかした指先から葉が生え、光合成までしはじめた。

不思議な感覚だった
自分の身体は腐敗して
どんどん吸収されていくのに
右目と意識だけは残ったのであった。

5

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