- 名前
- たかふみ25
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- 年齢
- 40歳
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- 自己紹介
- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【魔法少女っ】60-3、リストラーのシンド。
2012年02月19日 21:29
タイトルは特に関係ない。
今日は茜の家に泊まるつもりらしいアドルフさん。
「おいで~♪」
「ぴよ!(何を言っているのだ、そんな破廉恥な真似を俺ができるわけない)」
ジェスチャーで照れを表現しようと努めるアドルフ。
茜が求めているのは添い寝だ。
「爬虫類は変温動物だから冷えやすいですっ。お布団中に入ってないとダメですっ」
「ぴよぴよぷ~(でも恥ずかしい)」
ちなみに麻衣子邸宅では空調や床暖房などがあるので、特に不便ではなかった。
むんず。
強引に捕まえて、蒲団の中に引きずり込む。
「えへへ。こんなに冷えちゃってたんですっ!わたしが暖めるですっ」
「ぴよ~(恥ずかしいんだってば)」
パジャマ姿の茜に抱きしめられるアドルフ。ぬくもりは急速に伝わるのだった。
「恥ずかしくないですよっ。恋人同士じゃないですかっ。たまたま人間じゃないだけですっ」
「ぴよ~(それはそれではずい)」
ネオバビロニアの幹部生活では色恋と無縁の仕事人間だったアドルフだ。コクられた時も唖然としたものだ。しかし、考えてみれば俺はその告白の答えを茜にしてないぞ。と気付く。
「ぴよ~(茜……)」
「すうすう」
答えを伝えるには方法がある。麻衣子の通訳を通じて伝える方法と、いつか人の姿になって言葉で伝える方法。
アドルフは前者を取らなかった。これはなんだかんだ言ってもふたりの問題で当事者でない麻衣子に答えを先に知られるのは憚れるのだ。
「ぴゆ(いや、それだけではないな)」
卑怯ながら、「答え」を決めかねているのだ。
「付き合ってくださいっ!」
あの時点では明らかに「no」だった。敵同士だったからだ。これは好き嫌いとは別の事情だった。
「浄化!」
「ぴよぴよ~」
この時点でもう不定だった。「敵に負けて捕虜にされた状態」だから答えどころでない。
「カーマインスォード!」
この時点ではアドルフは完全に味方側だ。先述の場合が言い訳に過ぎないとわかる。ここでも彼は答えを保留してしまった。
「ぴゆ…(俺は愚かだな)」
アドルフは厚意に甘え、茜の胸に小さな身体を密着させて目を閉じた。
せめて夢で逢えて伝えられたら……。
そんな気持ちだろう。
……まさか本当に夢で逢えてしまうとは!
教会。
「ごくり」
真夜中に息を飲んだレイチェル。
なんか眠れず、礼拝をしていた。カレンダーを目で追う。
「そういえば、近々バレンタインだずね」
それは教会としては稼ぎどきだった。
養うひとが増えたんだから頑張らないと。
え?いちおくえん?
んなもん使えるか~。
礼拝の席で一人芝居状態になるレイチェル。
「アーメン」
……。
「迷える子羊が、またひとりだず」
教会に入った一人を、レイチェルはそう言った。
「夜に礼拝だ殊勝なことだず。悩み事はなんだず。アーメン」
皮肉混じりはレイチェルの癖だ。
「受験終わったんですけど、受かるかどうか自信がないんです」
礼拝者は麻衣子だった。
「ほだな、祈っても無駄だず」
レイチェルはバッサリ切り捨てた。
「例えば一枚の封筒に結果を書いた紙が入ったとするべ。おめだが祈ったとするべ。紙に書いた結果が変質するがず?」
「祈りに何らかの効果があれば封筒中から取り出して書き変わる可能性もあるかと」
面白い答えを言う麻衣子。願いのチカラの暗喩にも見える。
続く!
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