- 名前
- たかふみ25
- 性別
- ♂
- 年齢
- 40歳
- 住所
- 山形
- 自己紹介
- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【魔法少女っ】58-3、沈黙の春。
2012年02月06日 21:14
我々からすれば異世界であるワッフルを知る者は、心豊かであろうから、どうなんだろうね~。
平和な時代がいつまでも続くと思われていたが、突如現れた正体不明の謎の敵により、ひとつの街が滅んだのである。
これが、ワッフルの危機の始まりとなる。
「強いられてるんだ!」
集中線。
「勝手に上がり込んで、何遊んでるんだず?」
ふざけてるサラ達に突っ込むレイチェル。
サラの隣に座る女性が改まって挨拶する。
「はじめまして。ジークフリート・ヒガシノイスと申します」
「レイチェル・カーソンだず。この貧乏教会の主だず」
名刺がわりに握手した。
「姫様の手を握れるなんて光栄でございます」とヒガシノイス。
「おら、姫様って柄じゃねえず。血の通う人間だ?もとい妖精だぁ」
「ヒガシノイス。彼女は一筋縄ではいきませんよ」
紅茶を啜るサラ。
「たまたま自分の親が君主だった~ってだけだず。今やたまたま自分の親が禍だけどな」
姫様が革命で落ちぶれてド貧乏するなんて話、ざらにある。
「エカテリーナ姫」
レイチェルの本名で呼ぶヒガシノイス。
エカテリーナ・ヴァン・イワン。
それがレイチェル・カーソンと今名乗っている女性の本名である。本人からすりゃ「昔の名前」であるようだ。
彼女はワッフル4大国のひとつ、「北の国」の君主、チャウシェシュク・イワンの一人娘であり、それはチャウシェシュクが引退したのちに北の国を治めるべき王女である事を意味する。
だが、現在の彼女の居場所はそこではない。
「おっと。感傷にひたってたず」
間が空いたのを詫びてから、サラに用件を尋ねる。
「このヒガシノイスを教会にて働かせて欲しいのですよ」
「だが断る!」
即答だった。レイチェルの過去云々を横に伏せても、この教会の運営は楽ではなかった。だいいち、レイチェル自身がコンビニでアルバイトして生活費を稼ぐ現状である。
スタッフを雇う余裕はない。
「一生懸命頑張りますので宜しくお願いしますよ」
頭を下げるヒガシノイス。
「だーめ!」
「いま、ずーずー弁言わなかったですね」
「からかうな此花!」
此花というのはサラの本名の一部だ。
「とにかく、やらねったらやらねず!」
「どうしてもですか」
「この教会の矜持にかけて」
「駄目ですか?」
「チャマを宜しく」
どどーん。
すうおくえん相当の札束をいきなり出してサラが頭を下げた。
「乗った!いやあ、えがっだなぁ~。おらが無下にこどわるわけないず」
なんという脆い矜持!
「あ。ありがとうございます!得意は経理事務と経営コンサルティングです」
嬉しそうなヒガシノイス!
「ふぅ。これでひと段落」
やっと肩の荷が降りたサラだった。
このデジログへのコメント
エカテリーナ姫。
帝国時代のロシア雷帝イワン4世の娘。「カチューシャ」とも発音する。女の子が髪につけるカチューシャの語源であり、彼女を称える民謡もある。
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