- 名前
- たかふみ25
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- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【魔法少女っ】59-3、そんなわけで。
2012年02月12日 21:15
そんなわけで。
日は回り、茜のクラスの立志式の日がやってきた。
式は昼休みの時間帯に予定された。
ギャラリーを稼ぐための配慮である。
暇人が集まるわけだ。
「……暇人ですがなにか?」
有希と琴がギャラリーに混じっていた。
「……今日は茜と小春の立志式か。……興味」
「あらあら、わたしはかずねちゃんの立志式を見にきたわぁ」
香住学園でトップクラスを競う美貌のふたりが来た事で、ギャラリーは増大する。
「わっわっわっ。恥ずかしいよ!」
小春の緊張感はますます高まる。てか何を言うべきかまだまだ決めかねる状態だった。
「俺は自衛官になって、この街の平和を守りたいです!」
「お前みたいな弱虫、無理無理~」
言うべき事が具体化してるひとから壇上にあがり、立志の言葉を宣言する。場合によってはギャラリーからは野次が飛ぶ。
「わたしは立派な絵描きになりたいと思います」
「お前みたいなの無理無理~!」
「ふえええん!」
野次にやられて泣き出すひともいた。
「だからこのイベント嫌なんだよ」
小春は泣いてる女の子とすれ違って同情した。
「じゃあ、次はボクが行ってくるね!」
かずねは茜と小春に告げてから壇上に上がった。
「……お前のおとうとだな、琴」
有希は壇上のかずねをそう言った。
注意。かずねは女の子です。身体は。
「あらあら。どんな夢を語るのかしらね」
「皆さんこんばんはっ。城西和音です」
覇気ある挨拶に、会場は静まりかえった。
「ボクは災害で家族を失って、平凡な日々を失ってから、この街に来ました。ボクは嘗てそのかけがえのない日常を取り戻したい、だけどそんな事は不可能だと思い悩んでいました」
「え?」
長文なので琴は驚いた。かずねは長い台詞を言えるような頭はしてない方だ。
「しかし、いつの間にか、ボクの周りには友達が出来て、血の繋がりはなくとも新しい家族が増えて、つまり、新しいかけがえのない日常を手に入れてました」
「そんな……」
「……どうした。顔が青い、琴」
「ボクは欲しいものは手に入れました。そして、失う悲しみも知っています。だから、今度こそ、ボクはこのかけがえのない日常を1日1日味わって過ごし、大切にしてゆきたいです!!」
大歓声がわいた。今日のMVPはもはや決まったようなものだ。
「ナイスかずね!今のうちに」
壇上に上がる小春。インパクトの強い発表の直後はどんな発表でも注目度は下がる。小春はそこで適当な事を言ってやり過ごすつもりだった。
「お。高瀬さんの出番だ」
ギャラリーは静まりかえった。実は小春は琴や有希とは違う意味で学内で人気だったのだ。
あのひとなつこい性格で魔法少女。人気が出ない筈がない。
「えっ、あっ、あのー」
「小春、ファイトですっ」
「高瀬小春です。あたしは……いっぱいやりたいこと、できることがあります。だから、今はまだ具体的な夢を決めてません」
どよめくギャラリー。
「それは夢が何かを確定させてない、すべてのひとに当てはまりますが、可能性は無限大なんだよ!だから、あたしはなんになるにせよ、今を一生懸命に生きる!今を生きる。今を生きるだぁぁ」
言うだけ言って、さっさと壇上から落ちる小春だった。
さて、茜はというと。
「わたしはトリを取ります」
だそうだ。発表は最後たそうな。
続く!
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