虎の秘密兵器参上！

球団史上初！森田が初打席初本塁打、阪神が単独２位に浮上

サンケイスポーツ7月26日(火)21時26分配信
球団史上初！森田が初打席初本塁打、阪神が単独２位に浮上
拡大写真
五回、代打で登場し、プロ初打席で初本塁打を放った阪神・森田＝２６日　甲子園球場＝　（撮影・山田喜貴）（写真：サンケイスポーツ）
　（セ・リーグ、阪神５－３中日、１０回戦、中日５勝４敗１分、２６日、甲子園）阪神は２位で並ぶ中日と本拠地で対戦。リードされて迎えた五回、この日１軍に昇格したばかりの４年目・森田が代打で登場。初打席初本塁打を放って同点に追いついた。八回には鳥谷の適時打で勝ち越しに成功し、中日を下した阪神が借金を１に減らして単独２位となった。


　誰もが仰天した。大観衆の中で初めてバットに当たった白球。その行き先はなんと、左翼席だった。早足でベースを回る１メートル８５、９３キロの巨体に注がれる４万の大歓声。プロ初出場、初打席の森田がまさかの同点２ラン。球団史上初の離れ業をやってのけた。

　「結果を恐れず、思いきっていこうと決めていた。フルスイングできてよかったです」

　１－３の五回一死一塁。「代打・森田」が告げられた。プロ４年目でこの日初めて１軍登録。初球フォークをフルスイングで空振りした２球目。ど真ん中に入った１４７キロをまたもフルスイング。打球は浜風にも乗って、左翼席ポール際まで届いた。

　「１軍はやっぱり緊張感があります。与えられたところで頑張るしかない」

　２軍でチームトップの５本塁打。球宴期間に１軍の練習に呼ばれ、シート打撃で猛アピールした。関西高から２００８年に高校生ドラフト３巡目で入団したが、故障もありわずか１年で育成に降格。昨年７月に支配下に返り咲いた２１歳が、最高のデビューだ。

　後半戦のスタートは、同率２位で並ぶ中日と、ヤクルトへの挑戦権をかけた３連戦。試合前のミーティングでは、真弓監督がナインに号令をかけた。

　「ヤクルトとは８ゲーム差。直接対決も１９試合残っているし、逆転できない差ではない。絶対に優勝しよう」

　目指すは逆転Ｖだけだ。一丸となった魂は“奇跡”を起こした。意外すぎる殊勲者が呼んだこの勢い、絶対に離すわけにはいかない。

　阪神は同点で迎えた八回、一死二塁の好機で鳥谷が適時三塁打を放ち勝ち越しに成功した。４番手で登板した小林宏にはうれしい移籍後初勝利がついた。