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派遣社員を犯す!①

2012年01月08日 14:23

派遣社員を犯す!①

A社よりB社へ執行と言うかたちで勤めている麗子は、一年契約契約社員であった。

契約満了の日まで残すところ三ヶ月になっても、麗子の次の仕事はなかなか見つからず、契約の延長を申し込んだが、こちらも返事はなかった。

県外の私大へ行っている息子高校生の娘のいる今、旦那の給料だけではどれだけやりくりしても家計は苦しく、勤めを辞める訳にも行かず、さりとて40を越えた麗子に簡単に新しい勤め口もなかった。

「本社の専務兼人事部長に頼んでみたら?」と、アドバイスしてくれる人がいて、麗子は履歴書菓子箱を持って、まだ入った事もないA社の本社に行った。

初めて入る本社に、初めて会う専務…、麗子は緊張していた。

受付で教えられた専務の部屋に入ると、初老の男が窓の外を眺めていた。

「お忙しいとこ、すみません。お電話しておいた高橋です。これは…」

極度の緊張を強いられた麗子は言いたい事の半分も言えないまでも、なんとか再雇用だけをお願いし、ニコヤかに相槌を打つ男に履歴書菓子箱を手渡し、そうそうに引き上げた。

暫くして、麗子が出て行った役員室に中年の男が部屋に入ってきた。

「お待たせしたね。」

中年の男が言った。

窓の外を眺めていた初老の男は振り返り、中年の男に深々と礼をした。

「専務、長い間御世話になりました。昨日、定年になりました。」

「はい、御苦労様でした。」

初老の男、川田は長い間役員の運転手としてA社に勤め、世話になった専務に退職の挨拶に来ていたのだった。

「あっ、専務、お留守の時に女性の方がそれを…」

「ん?」

「なんでも、再雇用がどうとか…」

専務は麗子の履歴書に目を落とした。

「ああ、これはB社の方からも是非同じ人をと、頼まれて決定してるのだが、決まりでまだ発表出来ないんだ。まあ、あと2週間後に連絡が行くはずだ。」

「そうですか…。あっ、私はこれで失礼します。」

「はい、元気で。」

川田は社屋を出て、駐車場に行った。

ふと見ると、麗子が車の中で携帯電話を使って誰かと話していた。

麗子と目が合った。

麗子は慌て電話を切って外に出てきた。

「今ほどは、どうもすみませんでした。何卒再契約をお願いします。」

麗子は川田を専務と勘違いしたままである。

川田は軽く会釈をし、歩き始めたが、ふっと悪戯心を出して振り返った。

「たしか高橋さんでしたよね、もう少し話を聞きたいのですが、今から一緒に食事でもいかがですか?それとも帰らなくちゃならないかな?」

「あの、あっ、いえ大丈夫です、娘に連絡しておけば…」

「では、私も料亭に予約を入れておこうか…」

麗子は車に戻り、娘に電話をした。

川田は麗子の車から少し離れて専務に電話をかけた。

「おや、川田さん、どうかしたか?」

「いえ、専務にお願いがありまして。」

「何かな、僕に出来ることなら。」

「はい、よく専務をお送りした郊外の料亭ありましたよね?今からそこで食事をしたいと思いまして…」


「なんだそんな事か。わかった、電話を入れておくよ。1人かな?」

「いえ、2人です。」

「ん?たしか川田さんは奥さんに先立たれたんだったね?おっと野暮な事を聞いてしまったね。じゃ、2人で予約をしておくよ、今夜の食事は川田さんの退職祝いに私が奢りますからね、お金は気にしないで、それから泊まれるようにも言っておくから、お二人で退職祝いしてきて下さい。」

「専務、どうもありがとうございます、最後の最後まで御世話になります。」

電話を切った川田は麗子の車に近付いて行った。

「貴女の車で行きましょう。」

川田助手席に乗り込んだ。

小一時間も走り、陽も暮れた頃、郊外の屋敷森に隠れた古風な屋敷に入った。

玄関に入ると、和服仲居が三つ指で迎えてくれた。

川田様、ようこそいらっしゃいませ。」

二人は離れに案内されて席についた。

「こんな高級な所、初めて入りました…」

車の中でも、ほとんど麗子が喋り、川田はニコヤかに聞きながら時々相槌を打つだけだった。

麗子にはそんな大物然とした川田が頼もしくも感じられ、ひょっとしたら再雇用も上手くいくかもと思わずにはいられなかった。

「代行で帰ればいいから…」と、勧められるままに麗子は飲んでしまった。

緊張で喉がカラカラだった麗子にビールはとても美味だった。

見るのも初めての料理に舌鼓を打ち、ビール日本酒に代わる頃には緊張も溶け、普段の愚痴まで話す麗子だった。

川田は相変わらず、麗子に酌をしながらニコヤかに聞いている。

「ご飯のほうはいかがいたしましょう?」

仲居が尋ねると、

「もう少し飲みたいので、焼酎と水と氷を頼む。後は用があれば声をかけるから。」

と、川田が答えた。

「ちょっと失礼します。」
麗子は何度目かのトイレに立った。

足元がかなりふらついていた。

それから焼酎を何杯か飲んだ。

麗子は座っているのもやっとの状態になっていた。

「もう飲めませんわ…」

「麗子さんは、なかなかの酒豪だね…」

途中から高橋ではなく、麗子と呼ばれていた。

「専務さんが上手に話を聞いてくださるから…、でも、もう目が回って…」

「少し休んでから、帰れば大丈夫だよ。」

川田は立ち上がり、隣の部屋に繋がる襖を開けた。

「えっ

そこには二組の布団が敷いてあった…。




続く。

このウラログへのコメント

  • ペルソナ 2012年01月08日 14:30

    いやぁん 続くですか(笑)今年も妄想劇場は大入り満員になりそうね

  • さっちゃん 2012年01月08日 15:42

    続きが早く読みたいです(^o^)楽しみ!(^^)!

  • 妄想劇場 2012年01月08日 19:16

    > 一砂さん

    その嫌な川田に…

  • 妄想劇場 2012年01月08日 19:18

    > 白百合さん

    俺だけの契約愛人ではいかが?

  • 妄想劇場 2012年01月08日 19:19

    > さっちゃんさん

    待ちきれなかったら、今、電話で話しましょうか?

  • 妄想劇場 2012年01月08日 19:21

    > ネコリボンさん

    うふふ、焦らしのテクです

  • 妄想劇場 2012年01月08日 19:23

    > ペルソナさん

    どんなに大入り満員になっても、ペルソナさんの指定席は空けてあるからね

  • ペルソナ 2012年01月09日 14:11

    やった

  • 妄想劇場 2012年01月09日 14:13

    > ペルソナさん

    まだ、やってません!
    早くヤりたい、奥さんと

  • 妄想劇場 2012年01月10日 14:34

    > 美子さん

    俺もドキドキさせて

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