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切ないアイの物語w♪vol.15お金

2006年03月31日 01:14

切ないアイの物語w♪vol.15お金

↓↓↓↓↓↓↓↓↓

お客さんにもいろいろな“種類”がいた。

とにかくリードしたがるお客さん

リードされたがるお客さん

強引に挿れようとするムカツクお客さん
(そんなときには、お店に連絡しますよ?と脅した)

Hなことはしないで、時間内の間、ずっとわたしとお話をするお客さん

本当にいろいろだった。


どんなお客さんがわたしを“注文”しても、

わたしには、“レンタル時間”に合ったお金が手に入るのだ。


だいたいのお客さんは90分。

そうすると、福沢諭吉が2枚もらえる。


わたしは、福沢諭吉をいつも同じゴミ箱に捨てていた。


本当に必要ない紙切れ。

駅に着いたとき、車を降りる前にオーナーから受け取るモノだった。



わたしは何事もなかったかのように、コインロッカーから学生服を取り出し、

トイレ女子高生に変身する。

いや、むしろ女子高生が本職なのだが・・・・。

そして、そのまま家に帰り、部屋に引きこもる。

既に日課と化していた。



女の子の部屋にしては、散らかっている。

学習机の上は、必要のない学校の教材が山のように積まれている。

彼や西方くんにもらったヌイグルミが、ベッドにたくさんある。

もちろん、その中には、彼が子供のためにくれた、あの白熊もいた。

男の人が、わたしの部屋を見たら、

きっと、ガッカリすると思う。。。。



わたしの頭の中には、いつも西方くんがいた。

そして、囁いてくれる――「そんなことしてても、亜衣は亜衣だ」

そう、西方くんに中絶手術をやったことを告白した日に、西方くんが返してくれた言葉。

わたしに一筋の希望の光を与えた言葉だった。


それから、もう一言――「傷物だし」


その言葉を囁かれたとき、わたしの中には、“無心”が現れる。

“心が無い”

感情が持てないこと。

楽しい、嬉しい、悲しい・・・・そんなものはもうわからない。

ただ、強い“怒り”と、自分への“憎しみ”だけが残る。


夜が明けて、日が昇り、心を無くしたわたしは仕事へ行く。



「はい、お疲れ様」

オーナーがわたしに受取書のサインを求めた。

わたしはクセのある文字で『あい』と書き、そこに記入されている金額を受け取る。

今日は4.5諭吉、つまり、4万5千円。

「亜衣ちゃん、すごい人気なんだよね~」

オーナーが言った。

「4時までじゃなければ、もっとたくさん稼げるよ?」

「帰りが遅いと、親が心配するから」

今日は予定勤務時間をオーバーしている。

「こっちに一人暮らししないの?」

「無理ですよ~」

わたしは車を降りて、歩いた。


最初の行き先は、切符売り場ではなく、いつものゴミ箱

そこに、ゴミ箱をあさる汚らしい格好のおじさんがいた。

わたしはその人を一目でホームレスと判断した。


「おじさん、ちょっといい?」

わたしがそう声をかけると、ホームレスは驚いて反射的に体をビクリと振るわせた。

ホームレスゴミ箱から1歩離れたので、わたしは今日のお金をそこに押し込もうとした。

お姉ちゃん、それ、捨てるんか?!」

ホームレスガラガラな声で聞いてきた。

「うん」

「どうして捨てるン?」

「だって、必要ないもん」

ホームレスは驚いて目を丸くした。

その顔をいまでも覚えている・・・・。

「そんなこと言ったらいけない。このお金はキミの親が一所懸命に働いたお金だろ?」

「わたしがさっきお仕事で稼いだものだよ」

わたしは冷たく言った。

はやくこんな汚らしい人から離れたい。

そう思っていた。

「大切にしなさい。わしなんか、お金をもらえなくなって、全てを失った人だから・・・」

「いつもあさってたの?」

「あぁ。毎日あさってる。ある日突然、偶然に2万を見つけた。でも、偶然じゃなかった。最近では毎日万札が入ってる。それは、お姉ちゃんのせいだったのか」

「そうだろうね。今日は4万5千円だよ」

そう言って、わたしはホームレスに手に中でぐちゃぐちゃになったお金を渡した。

「言っておくけど、汚いお金だよ?体売ってるんだ。一所懸命でもなんでもない」

わたしが立ち去ろうとしたとき、ホームレスが言った。


「お金が汚くても、お姉ちゃんキレイだ」


わたしは耳を疑った。

なんだ、このホームレスとも思った。


「わしは見るからに汚いし、ゴミ箱をあさるという行動も汚い。お姉ちゃんのやっていることも汚いかもしれんけれど、

わかっている、お姉ちゃんはわかってる。

だから、汚くない。お姉ちゃんキレイだ」


わたしは駆け足でその場から逃げるように立ち去った。




↓↓↓↓↓↓↓

いまでも覚えています。。。

ホームレスさんは元気なのかなぁ・・・・

って、宇都宮に行くたびに、ゴミ箱の前を探してみますが、再会は一度もありません。。。



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このウラログへのコメント

  • pohoho 2006年03月31日 01:23

    デジログ訪問ありがとう! 同じ栃木のぽほほです 以後 よろしく!
    あした逢おうか!

  • ささ 2006年03月31日 09:16

    亜衣は亜衣だし、傷物でも何でもない。むしろ若く輝く可愛い女性だと思う^^俺も含め男には気をつけてね~

  • かさもち 2006年04月01日 05:13

    自分の知らない世界感だ。軽く感動しました。世の中綺麗事だけじゃ収まりきらないっすよね(´∀`)

  • 正宗 2006年04月08日 15:50

    なんて良い話だ;どんなドラマよりも素晴らしく、感動した!!

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