みどり-106

「それなのに、次の日知佳が話して来て
　優しい目、その目、吸い込まれそうに感じた
　もういいや、どうなってもって
　その時、実は離婚の最終段階だった
　そして先月の初めとうとう言ってしまったんだ
　誘ってしまった
　卑怯だな俺、と思ったのを覚えている」

「そうだったの、全然気がつかなかったなー、
　何時から見てくれていたの?」
「こっちに来て直ぐ、４月」
「そんなに前から
　あたし鈍感ね
　普通見られていたら感じるのに」
「５ヶ月の間に、何回も隣に座っていた
　横顔見ていた、いやほっそりした手も、
　足も膝も腕も首も喉も唇も耳も鼻も目も
　腰とお尻も、勿論胸も
　ギュンって飛び出してた、この胸」

「横に座っている時に、
　この胸ギュッと強く掴んだらどんな感じがするかと思って
　裸、どんな身体か想像して大きくなって焦った事が何回も有った
　私のを入れたらどんなだろうな
　あー入れたい、と何回も考えていた」
「へー、分からなかったわ
　隣に座って大きくしてくれていたの?」
「うんそう
　たまに肘が腕やわき腹に触れた時、ビクッとしていたよ」
「あーあ、もっと早く誘ってくれれば良かったのに
　貴方だったら直ぐに脱ぐのに
　抱かれていたのに」

　　　　　　　・・・つづく