まだ彼には恋人がいないはず

一人で暇そうにショッピングしている姿を見かける
彼が声を掛けてくれるのを待っていられない　可愛い女子でアピールしたい

彼との二回目のデートは遊園地になった　私は何度も鏡の前に立って服装をチェックした
淡いピンクのワンピースに白いカーディガン　少し派手かなと思ったけど

「可愛い」と言われたい気持ちの方が強かった
待ち合わせ場所に着くと　彼はもう待っていた　ジーンズにTシャツというシンプルな格好なのに

なぜか周りの人たちの視線を集めている　私に気づくとすぐに笑顔になり
小走りで駆け寄ってきた「ごめんなさい　待たせちゃった？♡」

「大丈夫だよ　今来たところ」嘘だった　本当は30分前から待っていたのだ
でもそんなことより　彼が私の姿を見て一瞬息を飲んだのが見えて　心臓が跳ねた

「その服・・・すごく似合ってる」「あ　どんなふうに？♡」
彼は少し頬を赤らめながら答えた

「うーん・・・なんというか・・・すごく輝いて見えるよ」
その言葉に嬉しさがこみ上げてきて　思わず両手を胸元で握ってしまった

「ほんとに？　嬉しい・・・ありがとう♡」彼は照れ隠しなのか目線を逸らし
「じゃあ行こうか　どの乗り物から行きたい？」

二人で手をつないでジェットコースターやメリーゴーランドを楽しんだ
驚くことに彼は全ての乗り物を怖がらずに楽しんでいた
　
特に私が一番苦手な落下系アトラクションでも平然としている
休憩時間になってベンチに座ると　彼が言った

「君がこんなに喜んでくれるなんて思わなかった」
「だって・・・あなたと一緒にいられるだけで楽しいもの♡」

「そんな風に言ってもらえると俺も嬉しいよ」

あなたに素敵な時間が訪れますように