- 名前
- たかふみ25
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- 年齢
- 40歳
- 住所
- 山形
- 自己紹介
- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【まじすか!】01-5、リインカーネーション。
2012年04月27日 05:58
昭和30年(1955年)。
「たのもー」
被服研究部の扉を叩く朱理。そこに迷いはない。
「んー。入りー」
面倒そうな声が帰ってくる。
「失礼します……」
おたおたしながら、ゆっくり開けて入る翔太。
足踏みミシンで集中している乙女が1人。
「怖そうな感じではないじゃない」
と評する朱理。
「噂なんぞ、いつの時代もでたらめやで」
織物にひと段落つけてふたりを見上げる。
「お前達もそうだろ?まさか本当の夫婦ではあるまい?」
「ええ、まぁ」
「わたしは噂を逆に利用させてもらってるけど」
なんの謂われもない男女が二人きりで居るとナニカニ言われる時代だ。噂はその点を回避できるので使えた。
「夢野朱理です」
「清澄翔太です」
名前だけ名乗るふたり。
「尾野糸子じゃあ~!ここの部長じゃあ~!」
なぜか啖呵を切る糸子。
「やっぱ怖いよこのひと」
「舐められたくはないからな。なん?」
強気な姿勢で糸子は朱理に用件を尋ねる。
「作って欲しい衣装がありまして」
朱理はいつの間にか図面を描いた紙を出していた。
「…あんたら、やっぱり結婚するん?」
図面を見た糸子の第一声がこれだった。
「?」
「ウェディングドレスやでこれは」
「なにそれ」
ファッションに無知な翔太だった。
「結婚式…祝言の時に着る衣装やで。西洋のな」
「そうなんだ~」
「生憎違うわ。これは魔法装衣(マジカルジャケット)よ」
「しかし、どう見てもドレムや~。あんた、その格好で街を歩くんかい!」
糸子が目を丸くして驚く。
「悪いけど、数年もすればドレスを着て街を歩く事も日常茶飯事となるわ。糸子さんも10年前に進駐軍からチョコレートもらったでしょ。あの驚きのようにね」
歴史の一大事に担ぎ上げる策を取る朱理。
「しかし、魔法とはどういう了見じゃあ?」
「さあ」
「こう見えて魔法少女なのよ、わたし」
「聞き慣れぬ単語や。ハイカラなんやな~」
「疑らないの?糸子さん」
翔太は尋ねる。昨日は魔法にかなり驚いたものだ。
「一瞬で30万人をころす爆弾が炸裂した世の中やで?魔法くらいじゃ驚かない…それに、おもろいやん!やろやろ」
こうして朱理の衣装はつくられる事に。
「でも部活でやるには限度があるよって、日数はかかるわ~。3日は待っててくれるか?」
「頼む側のわたしは特に不満はないわ。よろしくね、糸子さん」
部室を出る朱理と翔太。
「いきなり頼みごとって、失礼じゃなかったかなぁ?」
「価値のある仕事を示す事は、一種の敬意よ」
「そうかなぁ……。で、次はどこを見学するの?」
「迷うわね~」
まだまだ定位置の定まらない朱理だった。
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