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【魔法少女っ】68-3、手紙を読むクポー。
2012年04月18日 20:17
「ええい、他の奴らはいい、小春達をもっと映せクポー」
そんな事を見越したのか、松見の手紙は茜や小春達の事を後回しにしていた。
「楽しみは後回し」とのことだが、松見なりの嫉妬らしい。
その意を汲まず、クポーは読み飛ばして行く。
ひどっ。
「麻衣子さんは東京の高校で元気にやってます」
「茜、小春、千歳は演劇部で元気にやってます」
「ひどっ」
クポーが漏らした。具体的じゃない記述にあきれた。
実のところ、松見にはこうしか書けなかった。というのも松見にも多忙など事情があり、具体的には茜達を把握してなかったのだ。
「残念クポー~」
落胆するクポー。
多忙なのはお互い様なので責めるわけには行かなかったが、近況を知ることができず残念だった。
復興に一区切り着けて、実際に会いに行かねば。
今日も会議に現場に右往左往するクポーだった。
そんなわけで、世界を救った魔法少女達が今どうしているか。かいつまんでみたい。
清澄茜。
「はぅ~。勉強大変です~」
意外な事に学業に苦戦中の茜。二年生まで優等生のラベルが着いていた茜だったが、二年でうまく行った事が三年で躓く事はよくある話だ。いま、茜はその壁に当たっている。
「いよいよ受験生なのに、これじゃダメですっ。頑張るですっ!」
茜は自分の通ってる学校がエスカレーター式だという事を忘れていた。
麻衣子の背中を見たから、か。
「そんなのいいから、部活行こうよ、茜」
と肩をたたく小春。
「そんなのじゃないですっ!」
「いいから、いいから~学生の本分は楽しい学園生活だよ!」
無理やり引っ張る小春だった。
高瀬小春。
小春は更に忙しくなった。
演劇部部長としての多忙。魔法少女時代で明らかになった彼女のリーダーシップ能力に頼られるようになった多忙。
それに加えて、母の春夏が立ち直り、事業を興したからさあ大変だ。
なんと、蕎麦屋を始めてしまったのだ。
春夏は小春のホームパーティーにインスパイアされたらしい。
いつの間にか蕎麦うちを習得して、家の間取りを改造して(改築工事の際に改造しやすくしていた)おしゃれな飲食店のレイアウトとした。
店の経理には高機能パソコンを採用した。
それはなんと、サダムだった。サダムの成れの果てのデバイスをぽんこつノートパソコンにUSB接続したら生まれ変わってしまったのだ。
中途半端に繁盛するとなお忙しくなる。小春も手伝いせざるを得ない。
「おっ。この街の太陽が来たぞ!」
運良く小春の接客にあうと客はそう呼ぶのだった。
「そんなんじゃないよ~」小春は「夜空の魔法少女」だった。しかし挙げた功績は確かに人々に希望を与える太陽だったのだ。
「いらっしゃい、なんだよ」
続く!
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