- 名前
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- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【魔法少女っ】28-2、なんだか豪華な花火大会【なし】
2011年08月28日 06:39
「いよいよ始まりましたわ」
茜達からして、西の方向から、花火がのぼる。ここから約二時間の花火大会が始まるのだ。
「安いよ安いよ~」
一方、街では持ち帰り用の小型花火を安く販売している店があった。実はこれら、去年からの売れ残りなのだ。
「全部買おうか」
「毎度ありって、え?」
テロリストが花火を買うのは常とうだが、さすがに眼前で堂々とそれをされるのは白ける。
「こんなに大量の花火、どうするんで?」
「普通に使う。死んだ部下の供養だ」
「なんだ。爆弾をつくるのかと思いやしたよ」
安心しながら店屋は客……サダムに花火を手渡した。
「いっぱい買った~」
ざっと、小さな花火に換算して2万本ほどをサダムは買い込んだ。
「さあ、追悼花火の開始だこのやろ~」
サダムは花火の山を高台の開けたところに置き、そこに黒いカードと玉を乗せた。
ドドーンドドーン!
「たまや~」
「かぎや~」
「どっこいや~」
「綺麗だなぁです~。でもアドルフさんにも見せたかったです~」
「具合悪いんじゃ仕方ないじゃん」
「ぬいぐるみに体調って、相変わらず茜ちゃんは不思議で可愛い事を言うよね」
春夏は柔和に微笑んだ。
「秋紀は見てるかしら」
「きっと見てるよ。お盆だし」
ドドーン
ドドーン!
もし生きていたら、兄さんは浴衣の似合う彼女でも携えて見ているのだろうか、と小春は思案した。
その時。
ドドーン
ドドーン
ドドーン!
東の方角から花火が上がるのが見えた。
周囲から歓声が上がる。
「今年はやけに豪華だな。二ヶ所から同時に打ち上げ花火とは」
と、つかさは東の花火をファインダにおさめる。
ざわざわ……
観客の歓喜の中に、慌て不穏な運営スタッフの様子が見えた。
「あんなの予定にあったか?」
「あるわけないだろ。予算的に無理だし。このままでは警察に怒られてしまう……」
スタッフの会話を、千歳は聞き取ってしまった。
「大変ですわ。サラ、車の用意を」
「畏まりました、お嬢様」
花火大会に幾らかスポンサーしてる立場の千歳には火急な事態らしい。
「どうしたの、千歳」
「いえ、こっちの事ですわ。茜さん達は引き続き花火をお楽しみください」
ニコっと微笑んだ千歳。
「お嬢様~道が混んでて車を飛ばせませぬ~」
いつに弱気なサラ。
「とにかく、東の花火を止めないと、大変な事になりますわ」
さすがに不穏な事を隠しきれない。
「このままでは来年から花火できなくなるかもしれないわね」
と静。彼女もスポンサーの立場なのだろう。
「千歳。ウチの車に乗って」
静が促す。静の会社は医療関連なので、緊急車輛として運用できるらしい。
う~。
サイレンを鳴らしながら、桜田グループの車は東へ向かった。
「大丈夫かしら」
「だといいんですが……」
続く!
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