【魔法少女っ】26-4、夢カメラ

「カメラカメラ～」
ぴょ～ん
三脚を脚にして空に跳ねる巨大古カメラ。
中古カメラと三脚を素材にしたメカネガイナー、カメラネガイナーだ。
「これで面白い事になりそうだ」
カメラネガイナーはくらげが水中を泳ぐように空に漂い、そこにサダム
が続く。
「撮影～っ」
広場を俯瞰し、人々を撮影するストロボ。
「な、なんだ？動けない……」
撮影された人々は金縛りにあってしまった。命までは取らないが不便なことこの上ない。
やがて人々は横に倒れる。
「うん。なかなか面白い事だ」
「例によって撃退に来ましたよ～」
異変を嗅ぎ付けて、ヒロイン三人が来た。
「カメラカメラ～」
「お。撮影か。良いねぇ～」
「ダメですぞ、お嬢さんがた」
メイドサラが忠告する。
「何で能力に気付いた」
「長くあんたらと闘って年季がありますから」
と畏まるサラ。
そういえば千歳とサラはどのくらい長く闘ってたんだろう。
と、ふと疑問を抱く茜と小春。
「とにかく、やっつけるよ！」
格闘に持ち込もうとする小春。
ぴょ～ん
カメラが跳ねる。
「攻撃届かないですっ」
すいすい～
空中を泳がれる。
「これじゃ格闘できない」
しゅんとなる小春。普通に攻撃魔法撃てば良いのに。
ま、格闘スタイルでやりたい気分って事で。
「おまかせですわ。小春に飛空能力を付与！ウインドウイング」
千歳が念じると、小春の靴に翼が生えたような感じになり、空中戦闘が可能になった。
「うりゃ～～」
どかどかどか……
「カメラ～」
ひゅーずどおおん。
落ちるカメラ。
「今ですっ。カーマインサンセットクラッシュ！」
ちゅどおおん！
カメラを高熱が襲う。
「コバルト、ブリザードキック」
程よく熱いところに冷気魔法を帯びたライダーキックを叩きこむ。
「結露～！」
しゅううう……
「しまった。攻撃能力付与するの忘れてたっ」
反省するサダム。てかあんたが戦闘に参加しなさいよ。
「またね～オッサン～」
小春が去るサダムに手を振り送る。
「今度はカメラをゲットです～」
浄化された中古カメラを手にする茜。意外に重い。しかししっくり来る感じだ。
「デジカメじゃないんだ。イラネ」
「ダメです、それは。そのイラネって想いが怪物を生むんですー」
それにカメラの世界ではアナログな方が綺麗な作品を作れる。
「でも、相当古くて破損してますわ」
修理するにも、現在に部品とかないものかって話しだ。
「餅は餅屋です～」

後日、写真館を訪れた三人。
「かなり年季あるカメラね。譲って欲しいくらいだわ」
なるが欲しそうな目でカメラを見る。どうぞどうぞと言いたげな小春とそれを制止する茜。
「ダメですっ。おなくなりになるまで何度でも直して使い続けるのがわたしのポリシーですから」
「立派な心掛けだね。娘にも見倣って欲しいよ」
「俺がいつカメラを壊したっ」
と、つかさ。
「心掛けの問題よ。修理、頑張ってみるから、また後日来てね」
「宜しくお願いします」

ちゃんちゃん

落ちなし