- 名前
- たかふみ25
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- 39歳
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- 自己紹介
- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【魔法少女っ】24-5、市民プールに●【行きたいけど】
2011年08月11日 04:37
じゃーじゃん、
じゃーじゃん、
じゃちゃじゃちゃ♪
「な、なんだあれは」
屋外プールの深いところに、俯瞰して何かを見つけるプールスタッフ。
「なにぃぃ」
海水浴ならばありえて、市民プールならばあり得ないものがそこにはあった。
「逃げてください、逃げてください」
メガホンで注意をよびかけるスタッフ。
屋外プールは騒然とした。
「きゃあああ!」
悲鳴が響きわたった。
ヤツが姿を現したのだ。
「サメサメ~!」
サメ(の形をした浮き輪みたいな)の怪物・シャークネガイナーである。
「うふふ。呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーんよ~」
空中に浮いた感じでトータクが現れた。
「お客様、甲冑を着けたままの入水はご遠慮ください」
「あっ。すいませんすいません!」
脱ぎ脱ぎ……。
ドサドサっ。
トータクの鎧は「生きた鎧」である。一ヶ所にまとまって置かれた。
「って、ひとが空に浮いてる~!」
今更なことに驚くスタッフ。
「ふふん。どうかしら、わたしのからだつきは」
松並松見でない別の自分である事を良いことに、トータクは大胆な気持ちでいろんなセクシーポーズを取った。
プールの男たちは当分オカズに困らないなと思った。
「てかサメさんが出てるから逃げてくださ~い~」
茜が屋外プールからの避難を呼び掛ける。
「サメサメ~」
プールを泳ぎ回るシャークネガイナー。
「みんな、変身ですっ」
「おう!」
「魔法少女は、生まれ変わるんだ……ピクニックだっ」
「そのネタ多分誰もわからないと思うよ、茜」
苦笑いする小春。
「とおっ!」
「まじかる、スターライト!」
きゅぴーん。
「サメちゃん、やっておしまい」
「サメサメ~」
シャークネガイナーは頭にあるハンマーを振り回した。
「トータクはわたくしが!」
「お願い、千歳っ」
成り行きとはいえ、今のトータクは鎧を脱いでいるから、叩くチャンスがそこにあるのだ。
「ひぃぃぃ、暴力反対」
やはり逃げの一手なトータクだった。
「デイトナ、エアースラッシュ」
風の刄で攻撃する千歳。
「情けない主を持つと疲れますな」
「同感です」
鎧とサラは仲良く冷たいお茶を飲みながら観戦していた。
一方!
「サメサメ~サメサメ~!」
こちらは駄洒落を展開していた。
ひゅううう~。
小春の冷気魔法にシャークネガイナーはうち震えているのである。
「ぴよぴよっ」
アドルフが茜の頭上に飛びたち、カードを投げた。
カードからは彼がかつて使っていた剣が現れる。
「カーマイン・スウォード!」
構える茜。
「サメサメ~」
凍り付き、動きを封じられたシャークネガイナーにきりかかる。
「カーマイン、バーニングスラッシュ!」
しゃばどすっ、ずびずばっ!
「サメサメー」
ぷしゅううーー
シャークネガイナーが、サメさんの浮き輪に浄化されて水面にうかんだ。
「おのれっ。撤退!」
トータクは逃げ去った。
「お茶ご馳走になってかたじけのうござる。ではこれで」
鎧も去った。
「待つのですわ……きゃー」
どぽん。魔法騎士の力が解除され、プールに落ちる千歳。
ぶくぶく……
(溺れちゃうですわ)
じたばたすると、意外と大丈夫だった。
脚が弱いとはいえ、腕や手、からだはすごく泳ぎに適していた。
「わ~。羽前さん、人魚みたい」
麻衣子はその泳ぎをそう評した。脚の弱点をカバーするような泳ぎはジュゴン系に通ずる偶然だったわけだ。
「演劇部で水上ミュージカル。…楽しそう…」
妄想に悦に入る麻衣子だった。
「くふふ。いい写真が撮れた……ニヤリ」
企みの視線を、演劇部の誰もが感じてはいなかった。
続く!
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