- 名前
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- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【魔法少女っ】28-1、追悼の花火【プール】
2011年08月27日 08:09
夏休み真っ盛り。
今日は市の花火大会です!
「ぐふふ。みんな浴衣姿綺麗じゃのう~」
またもセクハラオヤジと化した小春はなめるようにみんなの浴衣姿を見る。
「写真に残したいぜ~」
そこにつかさが加わる。
「いつの間にか友達が増えてたのね、小春」
春夏(はるか)が見渡しながら言う。
「いっぱいいた方が寂しかないっしょ」と小春。
「春夏おばさん。こんばんはですー」
「茜ちゃん。ちょっと大人っぽくなったね~」
「……」
千歳は春夏と気まずい手前か、今日はまだ一言も発してない。
「大丈夫」
ぽん、と千歳の頭に手を置く静。
「そういえばアドルフさんいないね」
「今日は何だか知らないけど、1日じゅうメソメソ泣いてて、いたたまれないから、うちに置いてきたです~」
「ぬいぐるみの事?泣くの。不思議ねぇ」
春夏は軽く受け流した。茜なりの感性と解釈したのだろう。
一方その頃。
「お客さん、もう出来上がってますね~」
飲み屋で隣の客からそう突っ込まれる男。
ネオバビロニア4将軍がひとり、サダム…の世を忍ぶ仮の姿だ。
仮の姿とはいえ、半分を機械化したからだでは、酒は常人の半分は弱い。それでも彼は呑まずにいられなかった。
「ぴよぴよ」
いよいよ幻が見えるレベルに達したようだ。
ドラゴンのぬいぐるみが涙を流しながら飲んだくれている幻覚だ。
実はそれは幻覚ではなく現実だ。
アドルフが偶然にも同じ店で飲んだくれているのだ。
「ぴよぴ~よ、ぴよぴ~よ」
「おう。儂の気持ちがわかるのか。実は儂の会社での部下が、不慮の事故死してしまったんだ。ひっく」
アドルフと乾杯するサダム。
「ぴよぴよ!」
アドルフは漠然と嘗ての部下の死を感じとって泣けてきたのだが。
「しかし、あいつがこんなことするわけねーのに……何かの間違いだよ、ヒック」
「呑みすぎっすよお客さん。花火大会はまだこれから……」
「うるせ~。そんなの関係ね~オッパッピー!酒だ酒だ酒持ってこい。このぬいぐるみにも酒だ!」
「ぴよぴ~よ」
「ぬいぐるみが酒呑むわけないっしょ」
ぽいっ
店からつまみ出されるサダム。
「ぴよぴよ」
アドルフは店に残された。店側からすりゃ何だか商売に荷担してる感じがしたからだ。
「あら~。可愛い」
「ぴよぴよっ」
「ぬいぐるみが喋るなんて、あたし相当酔ってるのね。良いわ。一緒に呑みましょ」
と比較的若い女に好評で、アドルフはそのおこぼれにあずかっていたわけだ。
「花火だ……」
夜の町を千鳥足で歩くサダムの眼前に花火が見えてきた。
その意味するところは部下の鎮魂か、酒の肴か
続く!
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