- 名前
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- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【魔法少女カーマイン】12-2 茜色小町
2011年05月14日 21:31
放課後。演劇部部室を訪れた小春。
「あれ、いない」
誰もいなかった。
「出稽古に行ってきます」
小春が来るのを見越してか、律儀に置き手紙がしたためられていた。
「出稽古?」
校内武道館。
ツインテールの髪をポニーテールに結い直して、竹刀の素振りに勤しむ茜の姿があった。
「清澄さん、なかなかスジが良いわね」
ショートボブヘアの剣道部長、風間梨香がその太刀筋を見て評した。
「なんだかお邪魔してすいません」
麻衣子が梨香に頭を下げた。
今度やる台本が明治時代を舞台にした剣術小町の物語なので、ヒーロー兼ヒロインの茜が剣術修行を希望したのだ。
運動が苦手だった彼女にとって、それは著しき成長と言えよう。
「このままウチの部に欲しいわ~」
三年生引退後の剣道部を案じて、梨香は言った。素振りに打ち込む茜の眼差しは他の一般的な人々とはふた味も違っていた。
だが、その真意を知ったらがっかりするだろう。
「せい、やぁっ、やぁっ」
茜は、先のアドルフとの闘いを思っていた。いくら魔法騎士補整でスペックが上がっていても、スキル的な面が向上するわけではないのだ。
向上するとしても、元々がゼロでは致し方ない。
それで、剣術を研こうと考えるのは短絡にも程があるだろう。
それでも、茜は茜なりに真剣なのだ。持っているものは竹刀でも。
「いざ勝負」
梨香が茜の前に廻ってきた。武道館がどよめく。
いくらスジがいいとはいえ、素人相手に大人気ないだろう。
だが、この状況は先の闘いと相似しており、茜は受けて立った。
「勝負あり。勝者、風間っ」
結果は案の定だが、清々しかった。
「剣術小町だって常に勝っていたわけではないの。敗けを知ることは後の財産になるわ」
この前は不慮の要素で無理矢理勝ってしまってたから、梨香の言葉は茜にインパクトと感銘を与える事になった。
続く!
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