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【魔法少女カーマイン】11-4 絶対に負けられぬ闘いはここにはない

2011年05月11日 21:55

「まぁいい。ふたりまとめて片付けてやる」
アドルフはそういうと剣を鞘に収めて気合いを入れた。
ごごごご……
空気が、大地が、アドルフの気合いだか何かに微かに揺らぐ。
「アドルフが本気を出した?」
ただならぬ雰囲気小春は身構える。
「アドルフさん……」
事情がよくわからないのか、心配するように見る茜。
「ふおおおお……」
アドルフ将軍ゲリマンダー形態
看板邪魔っ」
瞬時に剣を抜き、看板を切り裂くアドルフ。背中には竜の羽根が生えている。
「アドルフファイア~」
どしゅどしゅどしゅ
次々と火炎魔法を繰り出す。茜のそれとは遥かに連射速度が違う。
「っくぅ~」
軽やかなみのこなしな小春にも避けきれず、火炎はついに命中する。
小春っ」
大丈夫。でもアドルフ、なんであんなに必死なんだか」
「手札がどうのとか言ってました」
「つまり、アドルフにはもう怪物をけしかける力がほとんどないって事ね」
解説役のクポーが不在でも、何とか事態を把握できる程度には成長したふたりである。
「俺はネオバビロニアの四将軍がひとり、アドルフだ~」
今更な名乗りをして、アドルフは斬りかかる。
鍔迫り合いの音が町内になり響く。
ちょいーん
ついにカーマインタクトが弾かれ、アドルフの剣は茜の衣服を切り裂く。
「勝った!」
「茜!!」
まるで歯が立たない絶望感がした。
切っ先を茜の喉元につきつけるアドルフは勝利の快感に酔った。
ミッドナイトベル!」
「無駄だ!」
どしゅどしゅどしゅ
アドルフの火炎が再び連射される。殺傷能力は弱めてあるが、必殺技発動を阻止するための撹乱には充分だ。

その時。
一陣の風が吹いた。

続く!

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