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【魔法少女カーマイン】ツインテールとシュシュ
2011年05月03日 19:26
クポーこと教師・久保田隆義は校長先生から呼び出しを食らった。
「な、なんでしょう」
戦慄にふるえながら、久保田は校長に訊ねた。
「…久保田先生、チア部を面倒見てくれませんか…」
武者ぶるいしながら、校長は告げた。チア部とはチアリーディング部である。以前は「応援部」として男女混成の部だったが、時代の流れにより、女の子ばかりのチア部になった、という経緯を持つ。松並先生が受け持った演劇部のような、過去の栄光も廃部の危機もあるわけではない。しかし、そんな部になぜ助力を求めるのだろう。
当然、久保田もその質問をした。
校長はこう答える。
「表面化しないとはいえ、危機はないわけではないんですよ。万が一、チア部が弱まるなら、全ての部活の士気に関わる大問題。そこで、久保田先生の助力を求めるのですよ」
「なぜ私が、でしょう」
「そりゃあ、一番暇そうだからですよ」
こっちは身も蓋もない。
だが、校長の細い目はなんか光るものがあった。
「こんちは~」
久保田はチア部室に入ってみた。
「!!」
そこにはたくさんのチアガール達がいた。
「わー。魔法騎士がいっぱいいるクポー」
久保田にはそう見えた。チアガールの制服が魔法少女の姿と大差ないからだろう。
「でも、おんなじデザインクポー。量産型魔法騎士かクポー!」
もちろん、久保田は勘違いしているのだ。
チア部の面々には、久保田は電波的な事を言ってるように解釈されるだろう。
「こんにちはっ!」
それでも笑みを絶やさずにチア部メンバーは挨拶する。
「こんにちは。社会科をやってる久保田です。今日からしばらくチア部運営にお手伝いする事になりました。宜しくお願い致します」
久保田も形だけはうまく挨拶する。
一通り練習を見たが、久保田には表面的な問題点を見い出す事はできなかった。だが、言葉にできない、漠然とした違和感めいたものは感じていた。
「どうですか、先生」
チア部長の栄倉なのかが訊ねた。黒髪長髪をツインテールに纏めた可憐な少女だ。
「とくに問題はないように見える。演技も完璧だ……だが……素人の僕にはうまく言えない何かが」
「仰る通りです。ご覧の通り、我々の演技は何のミスもなく綺麗にまとまります。しかし、何かが欠けてる、技術面でない何かが……」
素人の久保田の見識と、何度も練習を重ねたなのかの見識が一致した。
結局、答えを保留したまま、久保田は帰路についた。
「あの違和感、どこかで見たことがある気がする……」
続く!
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