【魔法少女カーマイン】11-1　将軍の焦燥

怪物はいつだって突然だ。
「カーネーション、カーネーションっ」
カーネーションの怪物が商店街の路上で大暴れする。
「カーネーション、ぐぁぁ」
後ろで見ている人影。
久しぶりの登場のアドルフ将軍だ。
彼は少し前の時間を回想する。
「俺のカードはあと二枚。それで魔法騎士に何らかの決着をつけなければ」
「カーネーション、カーネーションっ」
バリバリバリバリ
カーネーションの怪物は花屋の中にある大量のカーネーションをバリバリ食べてしまう。トカゲのような口が樹液に潤う。
「母親に感謝するための花か。しかし、どの世界にも母親のいない者はいる。その哀しみがこのネガイナーに集積されてるようだ」
少し悲しげにアドルフは怪物を見た。
「なんだかな」
「なーにやってんのおおお！」
猛ダッシュで小春がやって来た。
「蒼い奴か。今日こそは決着を着けてやる」
「あ。あんたは。ちょっと待って！茜呼ぶから」
小春は携帯を持ち、茜に電話をかけた。律儀に待つアドルフと怪物なのであった。

魔法少女カーマイン。これは香住町を舞台に繰り広げられる、正義と悪との壮絶な闘いの物語であるっ。