これで晴れて虎戦士！

虎・小林宏の誓い！八回３人斬りで球児へ
2011/1/29 7:52 配信サンケイスポーツ

　球児に楽させます！　ロッテからフリーエージェント（ＦＡ）宣言して阪神入りを決めた小林宏投手（３２）＝本名・小林宏之＝が２８日、大阪市内で入団発表会見を行った。２年総額５億円のＦＡ右腕は、任される「八回」の３人斬りを宣言し、守護神藤川球児（３０）の“イニングまたぎ”登板撲滅を誓った。登録名はこれまで同様「小林宏」で、背番号は「４１」。

　ＦＡでやってきたＶの使者は、虎のアキレス腱をよ～く知っていた。入団発表の席上。小林宏は高らかに誓った。球児の“イニングまたぎ”阻止を。

　「八回をしっかり抑えて、九回に球児が出てこられるようにしたい」

　真弓監督を右隣にしての会見でも、その後の報道陣の囲みでも、先発へのこだわりを否定し、守護神にも執着を示さなかった。

　以前から主張してきているように、あくまでセットアッパーで、絶対的守護神につなげるだけ…。阪神の勝利に貢献したい…。心はすっかり“虎色”だった。言葉の端々から伝わってくるのは、球児を楽にさせてやりたい、という思いやりだ。

　「八回３人斬り？　そうなったほうが、（後を投げる球児が）打順を読めるという点では、関係あるかもわかりませんね」

　自分が八回をあっさり３人で抑えれば、球児は自分がどの打者から投げるか、予測出来る。そうなれば、投げる方は当然余裕ができるし、有利になる。何より、小林宏が八回を完ぺきに抑えれば、２０１０年、虎を悩ませ続けた球児の“イニングまたぎ”を解消できるのだ。球児が慌ててスクランブル発進して疲労を蓄積させる、なんて悪循環はなくなる。

　“虎色”といえば、ヘアスタイルも…。自慢のユニークなヘアスタイルは影を潜め、黒くなっていた。

　「髪を切りに行ったので。特別なヘアスタイルも、もうやらないですよ。そんなことして目立たなくてもいいですよね」

　目立つのは、球児の前のセットアッパーとして獅子奮迅の働きをする時だけで十分というわけだ。

　初めて袖を通した背番号「４１」のユニホームも似合っていた。

　「ずっと付けていたんで。慣れ親しんだ愛着のある番号ですからね。ただ、（これまで４１番だった）上園クンには申し訳ない気持ちです」

　球児への配慮は、同じように上園へも向けられた。素晴らしいナイスガイが虎にやってきた。シーズン終了後は、優勝も運んできてくれそうな、そんな予感がした入団第１日だった。
[ 2011/1/29 7:52 更新 ]
サンケイスポーツ