兄弟仁義

阪神・金本、新井兄弟自主トレに爆笑乱入
主役はアニキ！！　新井（左）の会見に乱入し、イジリ倒した金本（右）。この笑顔をシーズン中、何回も見たい（撮影・榎本雅弘）【フォト】

　獲物を見つけた金本は黙っていなかった。トレーニングを終えると、自主トレを公開した新井が取材を受けていた部屋に、缶コーヒーを片手に乱入。新井の所信表明をブッタ切り、主役の座を完全に奪った。

　前日５日、約５０人の報道陣が集まった中田翔（日本ハム）との合同自主トレに比べ、約３０人に減ったことをネタにまず揺さぶり。

　金本　「きのう（５日）より（報道陣が）少ないのう。金本、中田の５分の１やないか」

　新井　「もういいですか？　３兄弟（弟、良太も合わせて）もそろったし」

　金本　「やめろ。新井姉妹やないか」

　ウオーミングアップ代わりにジャブを放つと、いったん退室してから、撮影を終えたカメラマンを引き連れて再登場。

　金本　「サクラでもええから周りにいたって。新井はスターなんやから。ミスタープロ野球の自覚を持たないかん。で、何ていってたんや？」

　ここから報道陣を逆取材。新井が「４番は任せろ」と発言したことを知ると、ボルテージがＭＡＸに。アニキ節が全開となった。

　金本　「バカ、（４番は）オレだよ。本当に４番が新井で心外。誠にイカン」

　新井「遺憾ですよ」（金本の発音が微妙で）

　金本　「分かっとる。遺憾や。（４番は）やっぱりブラゼルやないか。ウチの娘もいうとった」

　新井　「もういいですか？　僕、まだトレーニングあるんですよ」

　金本　「（無視して）もう８番打てや。俺が（４番で）出とったときの８番は…桜井か。桜井の方がよう打つで。楽に打たしゃあええやないか」

　新井　「（茶々が）長いですね。僕まだあるんですよ」

　金本　「普段はいっこもせんのに、報道陣がきたときだけ（練習を）やりおって！！」

　約１０分間、怒とうの口撃だけでは終わらない。昨季開幕前に故障した右肩を配慮しながらの上半身中心のトレーニングで手応えを得ると、約１キロのマスコットバットを手に室内にこもった。新井良をパートナーに、いきなり４０球の初打ち。ティー打撃を解禁し、２０１１年打ち始めを行った。

　前日５日には「思うように（右肩の状態が）上がってこない」とめずらしく弱気だった姿とは一転、力強く建物全体に乾いた打球音を響かせた。

　「あそこまで振れるとは思わなかった。新井のスイングの１０倍は振れとったな。打球音を聞いとったやろ？　あの鋭いな」

　最後まで新井をイジリ倒してニヤリ。やはりアニキは鉄人、超人。元気な金本が２０１１年も虎を引っ張っていく。　（川端　亮平）