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首位を死守!
2010年09月10日 05:54
<阪神>桧山、土壇場で同点打 千金のドロー
2010/9/10 0:37 配信毎日新聞
△阪神2-2中日△(9日、延長十二回)
虎はがけっぷちにいた。1点を追う九回1死一塁、阪神は代走・大和が二盗に失敗し、2死走者なし。だが、ここからはい上がった。
藤川俊が中日の守護神・岩瀬の真ん中低めをたたき、右中間の真ん中を破る。「追い込まれたので食らいつく感じでいった」。望みをつなぐ三塁打だ。
そして、代打の切り札・桧山が登場。「藤川が三塁まで行ってくれたので、向こうも開き直ってくるだろうと思った。こっちも開き直って初球から思い切りいった」。初球のシュートを振った打球はどん詰まり。しかし、振り切った分、白球は一、二塁間後方に落ちた。ルーキーの一打に41歳が応えた同点打だった。
ここからは、しのぎにしのいだ。守護神の藤川球は前々日に続く2イニング登板で無失点に。ブラゼルが延長十回の攻撃で審判に暴言を吐いて退場処分になると、その時点で野手全員を使い切っていたため、十一回から投手の西村に外野を守らせた。「(ブラゼルの退場まで)考えてなかったね」と真弓監督。それでも何とか持ちこたえた。
天王山を1勝1敗1分けで終え、首位の座も死守。中日より残り試合数が多いため、まさに総力戦でもぎ取ったこの引き分けの持つ意味は、阪神にとってとてつもなく大きい。
野手いない!外野に投手…阪神、総力戦で首位死守
2010/9/10 7:00 配信スポニチアネックス
野手いない!外野に投手…阪神、総力戦で首位死守
【阪神2-2中日】総力戦で首位を死守した。阪神は9日、中日との首位攻防第3ラウンドで5時間21分の激闘の末、9回2死から追いつく勝ちに等しいドロー。延長10回にクレイグ・ブラゼル内野手(30)が退場処分を受け、ベンチ入り野手が残っていない非常事態となったが、西村憲投手(23)が外野の守備に就き、窮地をしのいだ。2位・中日とのゲーム差は0・5と変わらず。10日にヤクルトに勝利し、巨人が負けると今季初めてマジックが点灯する。
誰がこんな展開を予想できただろう。延長11回、甲子園がざわめく中、右翼の守備位置に向かったのは、中継ぎの西村だった。「外野は高校以来かな。ひと通りのポジションは経験していました。打撃練習で打球を見ていたし、そのイメージで守ってました」。守備機会こそなかったが、外野手として2イニングを守り、試合後は笑みをこぼした。
まさに緊急事態だった。延長10回1死満塁のサヨナラの好機で、浅井の鋭い打球は遊直となり、一塁走者のブラゼルは帰塁できずに併殺。この判定に猛抗議し、真鍋塁審に暴言を吐いて退場処分となった。この時点でベンチ入りの野手16人をすべて使い果たしていた。ベンチは慌て、首脳陣が緊急会議。「誰に聞いても西村がうまいということだった」。藤川の推薦もあり、真弓監督は中堅の浅井をブラゼルの代わりに一塁に回し、西村の外野起用を決断した。
ここから阪神ベンチは見事な采配を見せた。「打球が飛びそうな方に野手(平野)を守らせたかった。(中堅の)藤川俊にはできるだけ(西村の方に)行くように言っていた」と山脇守備走塁コーチが打者ごとに守備位置を指示した。藤川の球威を考え、中日の打者は引っ張れないと判断。左打者の時には右翼、右打者の時は左翼へ。計4度、外野の端から端へとポジションチェンジを行い、打球が飛んでくることなく難を逃れた。
負ければ首位陥落の一戦。1―2とリードされた9回2死、藤川俊が中日の守護神・岩瀬から右中間三塁打を放ち、続く代打・桧山が「藤川俊が三塁まで行ってくれたので、向こう(岩瀬)も開き直ってくるだろうと思って、こっちも開き直って思い切りいった」としぶとく二塁後方に落とし、土壇場で追いついた。2日前に2回を投げた藤川は延長10回から再び2回を無失点に抑えた。
西村は延長12回2死一塁で打席にも入り2球続けて豪快な空振りをするなど、勝利への執念を見せた。最後は新井の盗塁死でゲームセットとなったが「次はピッチングで貢献したいですね」と話した。総力戦で勝ちに等しい引き分け。首位を死守した真弓監督は「イチかバチかで、とにかく追い付いてということなんでね。ケガなく引き分けられて良かった」と安ど感をにじませた。
▼杉山繁俊・福岡工大城東総監督(西村の高校時代の監督)捕手以外のポジションはすべて守っている。特に外野や一塁では、先発投手ではないゲームではスタメン出場していた。足も速くセンスがいいので、中でもセンターが多かったかな。
▼阪神・ブラゼル(延長10回に審判に暴言で退場)あの場面は感情が出てしまった。迷惑を掛けてしまった。申し訳ない。
▼阪神・藤川(延長10回から2回を無失点)最後、福原さんが頑張ってくれて良かった。(西村のところに打球を)飛ばす気はなかったが、よく頑張ったと思う。
◆阪神の投手が野手として守備に就くのは01年5月16日巨人戦(福岡ドーム)で遠山が投手から一塁に回って以来9年ぶり。今回の西村のように外野に回ったのは79年8月19日中日戦(ナゴヤ)で池内(投→左→投)、山本和(投→右→投)と2人がワンポイントで登板中に守って以来31年ぶりになる。
◆投手の野手出場
▼球宴 91年7月24日の球宴第2戦(広島市民)で、3―3で迎えた延長12回、既に野手を使い切っていたパは2死一塁から打者の秋山が顔面に自打球を当て負傷退場。第1戦に先発した野茂がカウント2―2から代打に立ち、見逃し三振。裏には工藤が左翼守備に就いた。2死から左中間へ上がった飛球は中堅の愛甲が処理し、12回引き分けで終わった。
▼大リーグ 今年8月24日のフィリーズ―アストロズ戦(フィラデルフィア)の延長14回、フ軍のハワードが球審に暴言を吐き退場。野手を使い切っていたため、延長15回の守備から左翼手イバネスを一塁へ移し、投手のオズワルトを4番・左翼で起用した。2―4の延長16回には2死一、二塁で三ゴロ。最後の打者となった。投手が守備位置に就くのは、球団では71年8月以来39年ぶり。
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