- 名前
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- 自己紹介
- もう海外在住29年、定年もそろそろ始まり、人生のソフト・ランディング、心に浮かぶこと...
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温度計
2006年02月03日 09:24
今までに何回か今年というかこの冬は寒くない、と書いたが、徐々に寒くなってきた。
それが分かるのは、勿論体で身に沁みて感じるのだが、これもまた、思い出すだけで腹が立つことがあるからだ。 それは、手袋のことなのだが、こういうものは大抵2年か3年で片一方をなくしてまた買うはめになるのが普通なのだが、今使っているのもその通り。
何年かまえ、と言うほどのこともない3,4年程前、子供たちにクリスマスかなにかのプレゼントでもらったものだ。 大体、ものをどこかに落としてきたり、無くしたりしても、往生際の悪いたちで、このときもなかなか新しいものにするのに踏ん切りがつかず、いつまでも家族に、ああ、落とした、不自由だ、ああ、気分が悪いだのいって諦めがなかなかつかないから、家族がみるにみかねて、というより、うだうだいうのを聞くのがいやさに、それでもあてがっておけとばかりにくれたものなのだ。
で、それはかなりごわごわのスキーの手袋で暖かかった。 けれども、12月初めの頃、ジャズのコンサートの折にカフェで何かをカバンから取り出すときに落ちたのだろう、それしか可能性がなかった。 そこで、後日カフェにもどって、やはり山とある忘れ物の片方ばかりの手袋をみてもわたしのは無い。 また、後日、そこに行ってもやはりそのままだ。 でも、そのうち耐えられぬほど寒くなった時期があったので、スポーツ用品店でなくしたものと同様のものを捜してその値段を見て驚いた。 ただの手袋に5000円も7000円も出すのだ。 皮ではない。 特殊加工、特許保持のなんとかテックス、うんぬんなのだが、とてもばからしい、とうんざりして店を出た。 別段手袋の値段を知っているわけでもなく相場もしらないで只なんとなく馬鹿らしいほど高いとおもったのだが、そうすることが結局あとでばかなことだった、と悟らされたのだ。 それから、いつもの土曜のマーケットに行った際にその近くのやはりアウトドアの店で薄手の2000円ほどのモノを買った。 店員はマイナス10度は大丈夫という。 なにが、マイナス10度か。 3日ほど前それを思い知ったのだ。
午後2時ごろ用事で外に出た。 日が差すけれど冷たい日で、通りの角の薬局の表に電光表示板がありいつも時間と温度を示している。 で、どういうわけかそこを通るたびに見るのを忘れる。 通りは霜が凍って粉を吹いたように見える。 自転車を漕ぐ息は白く深呼吸すると鼻の奥がツーンと酸味を嗅ぐことになる。 そんな時は確実にマイナスになっている。 で、10分も行かないうちに手袋をつけた指先がしびれるほどかじかんでくるのだ。 これはあの前になくした手袋では去年のもっと寒かったときでも何とも無かったのに今、この多分マイナスの2度か3度でこの調子では安心してスケートが出来るほどの寒さの中ではまったく冷たくて使い物にならないだろう。
それが自分のちょっとしたケチがもたらした結果であり、いつまでたっても失敗から学べない自分に対する自己嫌悪で胸糞が悪くなった。
けれど、この2日ほどは比較的穏やかな日が続いておりこのへなちょこ手袋でも支障は無い。 で、昨日も今日も午後、夕方、夜、とこの電光掲示板の前を通ることがあり、眺めてみるといつも0度を示している。 けれど、分からなかったのは午後2時に0度、夜の10時でも0度。 承服できない。 大抵一日のうちで温度が一番高いのが2時ごろ、一番寒いのが夜明け前なので、夜の10時というのは夜明け前ほどではないもののもう温度は下がってきているはずだ。
ひょっとしてあの掲示板マイナスの値は出ないのかもしれない。 それよりも私の指先が温度計の役目を務めることが出来るのに違いないが、温度はまだそこまで下がっていないようだ。 一年で一番寒い時期はまだあと2週間は充分にあり、マイナス何度で指先に感じるかこの掲示板で確かめられるに違いないが、しかし、そうなるとそのときにはまたかじかむ指の寒さがもたらしたいやな苦い思い出で腹の立つことになるに違いない。
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