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チーム・バチスタの栄光
2008年02月11日 19:04
珍しく「ミーハー系」の本をオーダー。単行本で370頁のボリュームだが、一気に読みきれる。医療小説というよりはかなり泥臭い「人間像」を交えたノベルスという感覚。なお「バチスタ」についての知識は不要:笑。
私が思うところ、このストーリーに盛り込まれている「三つ」の人間像:どれも組織から外れたアウトサイダーなのだが、その「外れっぷり」が本来業績を上げ世間から脚光を浴び、その病院の貌として機能していた「チーム」からある種の表情を「炙り出して」くれる。そのストーリー展開の速さにまず舌を巻く。
アウトサイダーⅠ:心療内科医の田口(映画では竹内結子が演じているとの事で意外):既成の病院組織におけるヒエラルキーを上がることを拒み続ける職人、アウトサイダーⅡ:厚生労働省から病院に派遣された役人白鳥(映画では阿部寛が演じているとの事、これはあたり)、アウトサイダーⅢ:これこそがミステリーのキーマン(だと思う)、ばらすとつまらないのでやめ。
彼らは一流の職人であり、一流のこだわりを持ち、妥協を赦さない。そこに本来主役であるべき「名医」の隠された事実や、権威主義的な病院の体質と相俟って、それらがある種の運命の悪戯となって「三者」の違った表情を炙り出してくれる。
読み始めた最初、作者が新人ということもあって「こなれていない」文章だなと思ったが、途中からそれが逆に「はまる」要因となった。特に「白鳥」が登場してからの件は2回読み返したほど。結論の分かっているミステリーを読み返せるほど幸せなことはない。文庫版もあるので一読を薦めたい。
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