WたりT也だ!!大御所が､本当間近に…

ｴｷｽﾄﾗなんて人間扱いじゃないんだよね｡大道具､小道具と一緒｡物語の背景の一部｡物語に決して入り込むことは出来ない｡それは､何年も経った今は､余計しみじみ感じる｡間違ってもｴｷｽﾄﾗをやらされることはない今になって特にね｡
ﾘﾊｰｻﾙは､ADさんのひとりがWたりさんの位置に入り､何回か｡これって､結構特別なこと｡実際､どんな有名な俳優さんでもﾘﾊｰｻﾙには出てきた｡ただ､この場合､周囲がWたりさんに無駄なことをさせないために勝手に配慮してるって感じ｡Wたりさんが入ったら､必ず一発OKみたいな｡なにしろ大御所に恥はかかせられない｡事務所の社長だし､なんと言っても俳優の､芸能界のｶﾘｽﾏのひとり｡
と… WたりT也だ!本当Wたりさん!?Wたりさんだ!!すぐそこ｡手に取るよう｡数ﾒｰﾄﾙ｡ｻｲﾝくださｰいっ｡って､そうじゃない｡これ､ﾛｹ｡自分､ｴｷｽﾄﾗ｡なんだから､もう!
ﾊﾟﾄﾞｯｸの下見ｽﾀﾝﾄﾞの雑踏に､WたりT也｡たたずむ｡ひっそりと｡あｰっ､なんにも言えない…
役のその男の人生とか､その哀愁とか｡そこはかとなく､漂い｡しかも､凄いｵｰﾗ｡これが､俳優｡なんだ… 上手いとか､下手とかじゃない｡演技を超越した俳優の姿…