渡辺さんの恋人たち・・・

第七章　第２話です


渡辺さんの言うところの

彼氏さんたちがやって来た

どうでもいいので名前は覚えてないけど

確か　菊池さんと三村さんと何とかさん

呼び名がないと不便なので

頭の良さそうな人　インテリさん

筋肉質の人　肉体さん

日に焼けた人　色黒さん


そう呼んでおこう

三人とも同期で30歳　独身だそうで

並び替えがあって

向かいの奥に色黒さん

横に渡辺さん

その横にインテリさん

そしてこっちは　奥にわたし

わたしのバックくん

肉体さんという形になった


わたしのログは

わたしが「」

主人が『』

他の人

女性がおもに（）

男の人は〈〉や[]とかで

区別するんですが

5人ともなると文章力がないので

わたし「」

渡辺「」

インテリさん　い「」

肉体さん　肉「」

色黒さん　黒「」


まあ　居酒屋だけの話ですけど

い「はじめまして　○○です」

肉「はじめまして　○○です」

黒「はじめまして　○○です」

わたし「はじめまして　やがみです」

とりあえず乾杯をして世間話

い「やがみさんはご結婚なされてるんですよね？」

わたし「はい　してます」

い「ご主人とは上手くいってますか？」

わたし「はい　うまくいってます」

い「そ、そうですか」

即答だったので　なんか面食らったみたい・・・

確かにアラフォーの主婦って

旦那に不満とか持ってたり多いからね

でも　わたしの場合　正式に籍入れて1年だし

あの主人だものね

渡辺「やがみさんの主人ってすごいらしいのよ」

い「すごいんだ？」

渡辺「うちの主人と同じ歳なのに経験豊富で」

い「ほほう」

あ、なんか　今　鼻で笑ったよ

多分　すごいったって　46のおっさんだろって思ってるな

おっさんだけど　あれは普通じゃないし

なんとなく　どれでもいいから

どのくらい　素敵なのが興味持ってきた・・・

なんとなく　インテリさんがリーダーっぽい

色黒くんが　わたしにバックをどかして

横に来ようとする

バックを色黒くんから取り返し

同じところに置く

勝手に人のバックに触るな

この人　デリカシーがない・・・

主人だったらって想像する

多分　あの人だったら

事前に　テーブルの奥のものを

何回かとるような行動をとって

『あ、ちょっと取りずらいんでバック動かしていいですか？』

とか言いながら　何回かわざとわたしにぶつかって

『あ、すいません　やっぱりバック置いときましょうか』

そんな感じで　気がついたら　横に

しかもぴったりと寄り添ってる

うん　あの人なら　やるな・・・



ここで　インテリさんと色黒くんが入れ替わる

い「デリカシーなくてすいませんね」

わたし「はい　なんです？」

い「勝手にバックを動かそうとして」

あら、しっかりチェックしてたんだ・・・

い「女性のバックを勝手に触るなんてね　でも悪く思わないでくださいね

その辺は不器用なやつですけど　根はいいやつなんですよ」

うーん　これって　あれだ

主人が前　言ってた　自分を売り込み

仲間をかばって　仲間の印象を回復させつつ

自分をさらに好印象に売り込む

やっぱり　この人がリーダーだな

わたしが意外に手ごわいと判断して

リーダー直々に来たと・・・

そんなことしなくても

見ててわかんないかな・・・

わたし　持ち帰られる気満々なのに

『甘いな』

主人の声が聞こえてきそう・・・


向かいで渡辺さんは　とろんとした顔してる

お酒の酔いと

見えないけど　肉体さんの右手の動きでわかるよ

渡部さんの太ももを触ってる・・・

なんか　この幼稚な茶番　飽きてきたよ

さっさとするだけして帰りたくなってきたし

わたし「ところで・・・」

い「はい　なんでしょうか？」

わたし「わたしは　誰にお持ち帰りされればいいんですか？」

一瞬　空気が止まった気がした・・・

渡辺さんは　もう　いい気分で

わたしの言葉なんか聞こえてないみたいだけど

三人の男たちは驚いて顔を見合わせてる・・・


どうも　こう露骨に口にした女は初めてだったみたい・・・

い「い、いいんですか？」

わたし「いいもなにも　そういう予定だと思ってましたけど」

い「えっ、いや、その」

わたし「わたしの思い上がりでしたら

恥ずかしいからこれで失礼しますけど」

い「いえ、そんな　わかりました　では　僕が」

　

いんてりさんが　わたしをお持ち帰りすることに

アラフォーだけど　ある意味純情な渡辺さんを

おとしたテクニック

そのお手並み拝見と


　　　　　　　　　　　　　　・・・いきましょうか