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「その花は夜に咲く」レビュー☆

2025年10月31日 00:24

「その花は夜に咲く」レビュー☆

チャン・クアン主演他。1998年のサイゴン。都会の片隅に貧しくもつつましく生きる恋人たち。望まぬ性に生まれたサン(チャン・クアン)はナイトクラブで歌い、ナムはボクサーとして懸命に暮らしていた。ある日、街のフィクサーミスター・ヴーン(井上肇)がナイトクラブに現れ、ステージで妖しくも華麗に歌うサンに目が釘づけになる。手術費用のため、ヴーンと逢瀬を重ねるサン。彼女を愛し、その思いを知るナム(ヴォー・ディエン・ザー・フイ)は、より稼ぎの良い闇の地下格闘技に手を染めてゆく・・・。容赦ない夜の世界に飲まれてゆく二人。愛ゆえにすれ違う二つの魂。嫉妬裏切り、焦りや不安―運命歯車が狂いはじめる・・・。激しくも、切なすぎる二人の愛はどこへ向かうのか。デビュー作「第三夫人と髪飾り」が世界で絶賛されたアッシュメイフェア監督最新作。

8/10点!!前作もそうだったが、本作に生きる女性たちは本来なら対立構造になってもおかしくない立場なのに手を取り合い身を寄せ合わないと生きられないあべこべな現実の中で生きている。ストーリー自体は目新しいものではないけれど、チャン・クアン(もうめちゃめちゃ可愛い!)を始めとした3人の俳優力でグイグイ惹き込まれた。あまりにキラキラし過ぎて青春映画なのかと勘違いしてしまうほど。サンは監督自身の経験や友人の経験を元に作られたキャラクターだそうだけど、普通の人より社会的恋愛市場においてデメリットを抱えていると、辛くても諦めなければならないことがあまりに多い。それを欲しがると我儘だと言われる。「そんなことはない、ありのままのあなたを認めてくれる人がいるはずだ」と周囲は言うけれど、じゃあ見つけてきてくれよと正直思う。だから、そんな自分でもいいと言ってくれた相手を精一杯愛するしか道はない。それがいつか本物の愛と平穏をもたらすと信じ、それまで耐え抜くとお信じるしかない。だから追い詰められ、いつも不安定で生と死の狭間の選択を迫られてしまう。あのタイミングで手術出来なかったのは絶望だよ~それを「たかが手術」とか言われちゃうんだ・・・本来の性ではないという苦しみは、たとえパートナーでも同種の経験がある相手でないと分かってもらえないのだ。他の病気も然り。いくら愛があろうと分かり合えないことってある。それでも思いやって想像して、絶対に言ってはいけないことってあると思うんだ。アッシュメイフェアが描く生と死の狭間でなんとか生き延びようともがき続けている人々のストーリーをこれからも見続けたい、見続けなければならない。こんなに心を直接鷲掴みにできる監督はそうそういない。2025年公開。

このデジログへのコメント

  • はらぺこ 2025年11月01日 20:59

    観てみたい、、、けどレンタルは無いですね(´;ω;`)

  • ユリ 2025年11月02日 00:20

    > はらぺこさん
    UNEXTで配信中ですね。

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