デジカフェはJavaScriptを使用しています。

JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。

面白そうな映画を録画しようとしたんだけど、、、、

2007年02月14日 13:14

夜遅く下に降りてテレビが静かになった居間で、2006カンヌ国際映画祭ノミネートされ観客の半分ほどが2時間半余りに耐えられず退場したもののロッテルダム映画祭ではその静謐と美的映像などから絶賛されたポルトガルの監督ペドロ・コスタの「Juventude Em Marcha (Colossal Youth)」がドイツアート専門局から放映されるとテレビガイドに書いてあったので興味を惹いて録画しようと思ったらすでに開始時間を30分以上も過ぎていたので、まあ、またそのうちベルギー局かオランダ局で放映されるに違いない、とあちこちの番組を見ていたら興味を惹いたものがあってそれを45分も見てしまった。

オランダは各国のテレビ局がたくさん入るので退屈はしない。 中でも夜中前の英国BBCテレビ看板番組「Newsnight」はこの20年ほど折に触れて重宝している。 CNNももちろん入るのだがこれはあまりにも癖の大きいもので、アメリカの様子を見るのには面白いのだろうがヨーロッパに住んで見るものにはあまりにもアメリカ臭が臭くて辟易するのであまり見ない。 それぞれのニュース自体は大体同じようなものであるがニュースショーとなるとかなり性格が違う。 それぞれの国のニュースはそれぞれの国民に応じるように報道されることから自国には甘くなるという性格は避けられないものの特にニュースショーに於いてはその正確さ、当事者生の声、特に世界政治外交、経済などの分野でどれだけ第一級の当事者からの生の情報が与えられるか、そというようなことが番組の質を決定する。 

そういう意味でBBCは世界でも第一級の質を誇っている。 それは報道に於いて国営放送であるのにもかかわらず時の政府から批判を受けることでもうかがえるが、10年以上前のサッチャー保守政府からは鋭い批判を受けたことで明らかだろう。 金と報道の質という意味では健全な国営放送報道の自由を保っているということでもあろう。 何でも受身の日本では考えられないことだ。 個人的には第一次、二次湾岸戦争の報道にあたりその分析と大臣、関連大使が次々に現れ火を放つような報道をしたことからも経験したことだ。ナショナルテレヴィジョンとは言いながらアメリカには国営放送がなく殆どがスポーンサーに頼る民放であるのだから、CNNは世界をカバーするというものの公平な世界スケールジャーナリズムということには偏りが多すぎるとの感を持った。 

さて、今日45分も見てしまったのはいろいろな理由による。 一つには英国の子供を巡る事情に対して最近ユニセフから出されたレポートに対してこの番組がいち早く驚きをもって反応したことだ。 曰く、英国の子供達の福利に関しては先進国では一番低いではないか、小国オランダの子供達がスカンジナビアの諸国を抜いてトップにある、どうなっているのか、というような出だしだった。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/newsnight/6359161.stm

まあ、(巨大なる若さ)とでも訳せるような映画を逃して15歳前後の若者についてのリポートニュースショーで見るのならあながち関係のないこともないか、と45分も教育、福祉担当大臣、野党影の相当関係大臣、前ユニセフ担当審議官、社会福祉専門化などを交え座談会も含めたニュースショーでそれぞれの意見を面白く見て感慨を持った。 私がこの10年ほど気に入りの、マッチョで時には無礼であると評判があるジェレミー・パックスマンというアンカーが仕切っていたからでもあったことも理由の一つである。

この日のトピックスの材料は上のサイトに示されているユニセフの最新レポート、豊かな国に於ける子供の福利、子供の貧困を概観する、というタイトルのスイスドイツの研究所のレポートを基にしたもので15歳の子供、若者を中心にしたものだった。 このレポートは下記のサイトで閲覧できる。

http://news.bbc.co.uk/nol/shared/bsp/hi/pdfs/13_02_07_nn_unicef.pdf

日本ではオランダ地図の上ではヨーロッパに、福祉関係では北欧圏に属すものであり日本の一般の印象ではチューリップ風車に木靴、ドラッグ、フリーセックス、福祉国などというようなものであろうが20年30年後の将来を背負う若者の状況をこのリポートで眺めているとまさにこれらの、日本における印象が偏見でありことごとくそれらの印象は英国に当てはまるとしか言えないようなものである。 それと英国の貧困の具合の驚き、それは物質の面もあるのだがそれだけではなく子供を取り巻く大人の社会の反映である、ということでもある。

現在の世界で共通語として英語が主要となったその中でその位置を米語に譲りつつある英国の子供、若者を比較しつつあるのであるがそれではパックスアメリカーナ、世界に冠たる米国の事情も英国とあまり変わらないようだ。 健康、学力、家庭環境、暴力いじめ、友人関係、精神面について様々な対照表が示されているのだが、この調査団体が主にドイツスイスなどヨーロッパの国にあることから日本の調査結果は全てに行き渡っているというわけではないが少なくとも表に対象されている部分では日本の状況は眼を覆うばかりのところもあり、振り返ってこの何年かの日本の若者に現れる現象を厳しく裏付けるものである。 曰く、いじめ自殺児童虐待、将来への期待、家庭状況、子供達が自身幸せと感じているか、等々ではとても英国と並んで先進国の仲間とは言えないようだ。

それでは日本を先進国と当然のように見ている理由は何なのだろうか。 当然70年代からの経済成長がその根元にあるのだろうが、ここではその富を築いた、それを支えた人たちの孫とも言うべき現在の子供、若者に現れる現象の比較であり急進的成長の歪か経済成長犠牲にしてきたもののツケをはっきり見る様でもある。 

これが日本でも、民放テレビの浮かれるままに任せたように虚けた娯楽番組が多い中で、少なくとも国営放送において批判的に放送されることを期待するのだが、人気が急落し、近い過去に大きな事件になったことに自身が関与しているという疑惑メディアに圧力をかけて金がらみのそのような疑惑をもみ消すのに忙しい現首相のもとでは暗澹たる想いを隠し切れない。

この何年か日本に住む老母が周りに住む今の中年、子供達を観察し自分の孫がオランダで育つその様子と比較して、日本の悲観的意見をしばしば聴かされたことを、それを年寄りの、ただ単に昔とくらべると、、、、という常套句だけではなかったのだなというのがこれで納得されるところがあったのだが、それでは自分の子供も含むこのレポートオランダ最上にランクされているというのにもまた驚いて何か面映い気分がした。 そして自分の住む国の子供達をめぐる環境を見聞きしても、それは、世界は望ましい社会からはまだかなり隔たりがある、ということなのだろうか。 

このデジログへのコメント

まだコメントがありません。最初のコメントを書いてみませんか?

コメントを書く

同じ趣味の友達を探そう♪

  • 新規会員登録(無料)

プロフィール

ヴォーゲル

  • メールを送信する
<2007年02月>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28