逆転のトラ、サヨナラ２ラン

阪神が逆転サヨナラ４連勝　鳥谷千金弾
2010/7/20 22:33 配信デイリースポーツ

　「阪神５‐４広島」（20日、甲子園）
　阪神が今季４度目のサヨナラ勝ちで連勝を４に伸ばした。２点を追う延長十回、代打・林が中堅越えに１号本塁打。関本が中前打で続き、鳥谷は上野から左翼ポール際に逆転の11号２ランを放って決着。「つなぐことだけ考えていたが、打った瞬間、行ったと思った」と鳥谷。阪神は貯金を今季最多の13とした。
　広島は延長十回、赤松の左中間二塁打で２点を勝ち越したが４番手の上野が９球で３失点とあっと言う間に崩れた。

たった９球で２点差をひっ繰り返した。主役は鳥谷だった。１点を追う延長１０回無死一塁。左翼ポール際へ逆転サヨナラ２ラン。ヒーローは、お立ち台で「打った瞬間いくと思いました。本当にうれしかった」と声を張り上げた。

　「苦しい試合だったので、勝ってよかったと思って走りました」。延長１０回に安藤が２点を勝ち越され、甲子園は静まりかえった。絶望的な展開のその裏、先頭の代打・林が放った中越えの今季１号で、再び雰囲気が一変。１点差に迫ると、関本が中前安打で続き、鳥谷の出番がきた。

　「打てのサインだった。４打席までのことは、頭になかった」。この打席まで、３三振を含む４打数無安打。前日（１９日）の４打席目で左前安打が出るまで１６打席安打が出ないなど不振だったが、土壇場の集中力はさすが。今季４度目のサヨナラ勝ちにつなげた。サヨナラ打は４月３０日の巨人戦（甲子園）以来。サヨナラ本塁打は０５年１０月５日の横浜戦（ともに甲子園）以来、自身３度目だ。

　６月末。遠征先で、トレーナールームに大量のドーナツを届けた。「みなさんに太ってもらおうと思って、買ってきましたよ」。素直じゃない言葉で照れを隠した。感謝を伝えたかった。今季は選手会長に就任。他の選手がより多く治療を受けられるよう、自身がトレーナーに頼ることは減ったが、気配りを忘れなかった。

　巨人もサヨナラ勝ちしたため首位はお預けとなったが、０・５ゲーム差でピタリ。真弓監督も「すごい試合だったね。まさかサヨナラ勝ちするとは」と驚きを隠せなかった。今季３度目の４連勝で、貯金も最多の「１３」に増やした。いよいよ２１日は前半戦のラストゲーム。鳥谷は「明日も勝って前半戦を終わります」と虎ファンに力強く宣言した。