6月18日復帰！

手術しない！虎・金本、６・１８左翼復帰へ
2010/4/27 7:51 配信サンケイスポーツ
手術しない！虎・金本、６・１８左翼復帰へ
左翼復帰の目標が交流戦後に定まった金本。守備練習ではまだ送球できないが、表情は明るい（写真：サンケイスポーツ）



　阪神・金本知憲外野手（４２）が痛めている右肩の手術を受けずに、復活を目指すことが２６日、分かった。交流戦が終わり、セ・リーグが再開する６月１８日の横浜戦（横浜）から左翼守備に復帰できる見通し。また、世界記録の連続試合フルイニング出場１４９２試合の功績が認められ、ユニホームなどが米国の野球殿堂入りすることが決まった。

　鉄人の復活が見えてきた。世界記録に１４９２試合で終止符を打った金本が、交流戦後の６月１８日の横浜戦を、左翼守備に戻る復帰のメドにしていることが明らかになった。

　新神戸駅からヤクルト、巨人、中日とのゴールデンウイーク９連戦に向けて新幹線に乗り込んだ真弓監督は「金本は交流戦明け復帰？　そやね。痛みがおさまって、キャッチボールをしてからになるから、もう少しかかるんじゃないか」と見通しを明らかにした。

　世界記録継続を自ら断念するほど、痛みがひどかった右肩。その治療について球団は検討を重ね、手術をしない結論を出した。

　球団幹部は「右肩の腱、つまり細い筋肉が肉離れのような状態になっている。休めば休むほど、よくなるので登録を抹消するのが一番いいが、バッティングはできるから、それはない。手術はせず、自然治癒を待つことになった」と明かした。

　関係者によると、右肩を支える腱板が切れた場合は、メスを入れて腱を結び治す必要があるが、そこまでの重傷ではなかったという。現在はアイシング、電気治療を行い、保存治療と呼ばれる方策で炎症が収まるのを待っている状況だ。

　連続フルイニング出場が途切れた試合から左翼復帰まで約２カ月かかるが、幸い５月１２日の日本ハム戦（甲子園）から始まる交流戦では、ＤＨ（パ・リーグ本拠地のみ）がある。ＤＨ兼代打の切り札として打撃の状態を上げていき、右肩が癒える交流戦終了後、左翼で先発メンバーに戻る算段だ。

　完全復活を目指しながら、今は一振り稼業で存在感を示している金本に朗報も届いた。球団は記録が途切れた１７日の横浜戦で着用していたユニホーム、スパイク、帽子を米ニューヨーク州クーパーズタウンの野球殿堂に寄贈すると発表した。

　金本は「自分が野球を通じて残してきた物が、アメリカ野球殿堂博物館に形として展示してもらえる事はとても栄誉あることでうれしく思いますし、身の引き締まる思いです」とコメント。「博物館にも一度行って実際に見てみたいです」と渡米しての見学にも色気を見せた。鉄人の足跡は太平洋を越え、野球の歴史の一部として展示される。不滅の金字塔は、もちろん新たな出発点だ。

　山脇守備走塁コーチは「早く出たい思いはあるだろうけど、焦って悪くなるというのだけはいけないし、無理はさせない」と慎重ながら「自分で少しずつ（肩を）動かしたり（強化）しているみたいだけど」とアニキの様子を明かした。

　記録の終焉は新たな船出。メスを入れずにカムバックする金本が、再び伝説を作り上げる。