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代打で安打
2010年04月22日 10:46
闘志衰えず!金本12年ぶり代打安打
2010/4/22 9:33 配信デイリースポーツ
闘志衰えず!金本12年ぶり代打安打
8回、代打・金本は右前打を放つ(撮影・飯室逸平)
「阪神1-2広島」(21日、甲子園)
阪神が惜敗。3連勝を逃した。1‐1で迎えた八回、金本知憲外野手(42)の12年ぶり代打安打となる右前打などで1死満塁としたが、城島、ブラゼルが連続三振を喫した。虎党のストレスたまりまくりの試合展開で、せめてもの救いがアニキの一振り。記録は止まっても、鉄人の闘志が衰えることはない。
◇ ◇
左肩に掛けたバッグを小さく揺らしながら、クラブハウスへと向かった。額ににじむ汗の量は、これまでと変わらない。視線を床に落としたまま敗戦の悔しさをかみしめるその背中の隆起も、これまでと何も変わらない。
試合開始から終了までグラウンドに立ち続ける作業と、持てる力のすべてを一瞬に凝縮する作業。フィールドに立つ9人と心を一つにして戦っていたからこそ悔しかった。そしてこの試合、必ず勝てると信じていたからこそ、アニキは悔しかった。
うなる白木の相棒。この夜の猛虎が勝利に手を掛けた瞬間だった。
1‐1で迎えた終盤八回。先頭・マートンが四球を選ぶと、すかさず代打・金本のコール。地鳴りのような歓声に迎えられて打席に立つと、前田健がカウント1‐2から投じた4球目145キロを真っ向から叩き、ライナーで右前へと運んだ。
「あそこで打てたのはさすがだよ」。和田打撃コーチが、その集中力を絶賛する。五回から七回までをパーフェクトに封じていた右腕をたったひと振りで打ち砕いた力と技の一撃。代打3戦目で飛び出した初安打は、広島時代の98年8月21日・巨人戦での3ラン以来、実に12年ぶりの代打安打だ。
戦況を見守る作業と、出番に備えて体をならす作業の同時進行。ベンチでチームメートを励ましながら、試合序盤から何度もベンチ裏で素振りを繰り返した。いつ踏み締めるか分からぬ打席は、すべからく勝負の大きな分岐点で訪れる。額に汗をにじませながら打席に入ったのは、妥協なき準備の証しにほかならない。
アニキの一打で流れをつかんだ猛虎だったが、その後の1死満塁で5、6番が連続三振。「惜しかったね。城島、ブラゼルが何とかしてくれると思ったけど…」。真弓監督が悔しがる。慣れない代打での安打については「(結果を)出してくれると思ってる」とキッパリ。背番号6に寄せる全幅の信頼も、これまでと何も変わらない。
悔しい敗戦。それでもアニキが奏でた快音は、一筋の光となって猛虎を照らす。
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