さっび。

五月雨、というにはあまりにも冷たい雨が手や頬を濡らし
行き場を見失う

講談社創業者の、元邸に捏造された、美の殿堂

波風立てぬ、審美眼の持ち主として
年表の中には収まっているのかもしれないけれど、
やはりコレクションを見ると
松方氏と大差はない

美しきものに、涙するほど
細やかな神経の持ち主は
コレクションを為しえない、
などという矛盾が頭を過ぎり。

神泉を鑑賞するうちに
どこか気持ちもボーダーレスになり
館員の目を盗んで、
カメラに展示物を収めてしまう。

どうにしても、解せないことがあり、
学芸員の話を聞いてみたくなり
受付にて、
泰葉の双子のごとき女性に
質問項目を記すように言われ
従う。

美術館を出ると
雨はさらに勢いを増し
ほどなく、Sくんからのメールが届く

昨日は無理だと言っていたけれど
結局、会うことに。

駅前スタバにて、およそ一時間、待つ。
その間、読書

Sくん、現れ、展開について話し合う。

一軒目、二軒目、で話し合い、終了。

時計を見ると、
眠いはずの時間。

寒かったな、今日は。