とある耳たぶへのオマージュ

びぢんは得だ、とは、
思い続けているけれど、
キミほど性格の悪い人間は
あまりみたことがありません。

プライドの高さといい
慇懃に見えながら、決して寛容でもなく
居丈高、面従腹背、
他者への思いやりのなさ、
人の言葉、することなすことの
多寡のくくりかた・・・

なかなかお見事
沢尻さんも、あるいは裸足で逃げ出すかもしれません。

いろいろな、他者との齟齬を思い起こさせる
あなたのそういった特質は
今までの経験からいけば、
恐らくわずかな関心をも
沮喪させるに十分なはずなのですが・・・

やはり、キミを美しいと、思ってしまった

愛情とも
肉欲とも、
遠く離れて

偶然、扉の向こうで
息を呑むキミの顔は
瞠目に、
あるいは
一拍後の、溜息に
値したと、
ボクは告白します

先ほど、肉欲とは遠い、
そう思って記しましたが、
正確には、そうともいいきれない、
そんな気がします

なぜならボクは
キミの、
哀れなまでに大きすぎ、
乾燥に苛まれる
つぶらな瞳、ではなく
その両脇に備わる
しばしば、ほんのりと
赤く染まってみたりする、
君の美しく、柔らかい耳朶に
いささか倒錯めいた
食欲を感じているからです

敏感なそこに
舌を這わせてみたい、
あるいは、
甘がみをしたい、
そんな衝動に駆られているわけではないけれど・・・