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非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎

2008年04月01日 00:33

非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎

渋谷シネマライズで見てきました。初日だったせいか混んでましたよ。
trailer filmで気になっていたのがこの映画です。
シカゴアパートを借りて40年間、家族もなく友人もなく(映画によると唯一の友人も引っ越してしまったそうです)、病院の雑役夫としてはたらき、行くところといえば教会のミサくらいといった生活。身寄りなくひっそりと死んだ男の部屋を大家が見たら、なんと1万5千ページの小説の原稿(タイプされていた)と3百枚の挿絵(それも大きなもの)があった。こんなことって、まれにはあるのでしょうけど、それが芸術性を持っていたとなると珍しいです。小説の題名は「非現実の王国として知られる地における、ヴィヴィアン・ガールスの物語、子供奴隷の反乱に起因するグランデコーアンジェリニアン戦争の嵐の物語」。自分に絵の才能がないと自覚していた彼は、写真新聞、雑誌を切り抜き、トレースし、コラージュするといった形で自らの頭の中から幻想的な風景を紡ぎだしたのです。孤独芸術家の名前はヘンリー・ダーガーというが、ダーガーと呼ぶのか、ダージャーと呼ぶのかさえ、彼を知っていた人の間でも意見が異なる有様、それほど、他人との交流がなかったのです。
 この妄想ともいうべき世界を映画にしたのがこの映画です。ただし、叙事詩をそのものを映画にしたのではなく、大家やすこしは交流のあった人達の証言から、バーガーの人となりを知ろうというのがこの映画です。そして、その合間には叙事詩の紹介があるのですが、妄想ヴィヴィアン・ガールズはアニメーションとなって動きます。ナレーションがあの「アイ・アム・サム」のダコタ・ファニング
 ここまで読むと面白そうって思うでしょ。でも、こればかりで82分はちょっと長い。東京12チャンネルの「美の巨人たち」みたいにした方がよかったのでは。あれも、ものが動いたりして芸術家を紹介する寸劇をしてくれますからね。
 あたりまえですが、メリハリがないので眠くなります。やはり芸術芸術として「原美術館」とか「ワタリウム美術館」あたりで鑑賞するのが正解なのでしょうね。

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