- 名前
- tarashi
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- 外見はまじめ。60歳代だけど禿げてませんよ。小柄だけど、体力あります。性格はのんびり...
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イレイザーヘッド リンチ作品の練習帳
2008年04月19日 15:43
イレイザーヘッドは何度も見たことがある、いや、見かけて途中でつまらなくて見終えることがなかった映画です。なんと、全編通してみることができましたのでアップします(案外とこういう作品が多いです、僕の場合。特にDVDでその傾向が加速しました。LDやビデオテープはまだ頑張っていました)。
頭がもじゃもじゃした人間が横になったシーンがはじまり、やがてどこかの岩だらけの惑星が移されたかと思ったら、やけどだらけの溶接工のような男の横顔がうつり・・・。
デイビット・リンチが5年かけて作った最初の長編映画です。予算がなかったことから監督・製作・脚本・美術・特殊効果・編集・サウンドデザイン効果・音楽をこなしています。印刷工のピーター・スペンサーはジャック(ジョン)ナンスで、この人はこの後のリンチ作品にも数多く出演しています。
あらすじもなにも、ストーリーなどあってないがごときの映画で、リンチ監督のイメージをフィルムに描き編集しただけの作品です。それだけに、その後の彼の作品の原点・源流であります。
スタンドライトがバチバチって瞬いて、ふっと消えるなんて、近作のインランド・エンパイアまで続く、リンチの作品によくでる風景ですし、パネルヒーター(ラジエーター)の裏に忽然として現れる舞台に女の子(それも奇形の顔貌)なんて、いくつかの映画でよく出てくる手法です(この風景、漫画で連載されている「ギャラクシー銀河」そのものです。きっとあのマンガの作者はリンチマニア?)。
工業地帯(フィラデルフィアらしい)の風景も、こわいこわい。
ま、それでもすじはというと、鉛筆についている消しゴムのような頭をしたヘンリー・スペンサーは付き合っていたことがあるメアリーXに呼ばれ、X家の家に招かれ、メアリーの両親のX氏、X夫人と会います。夫人がヘンリーに対して、メアリーと性交渉をしたであろう、娘は赤ん坊を産んだ、結婚せよと詰め寄ります。で、ヘンリーはメアリーと、怪物のような赤ん坊と一緒に生活をはじめるのですが、泣いてばかりの赤ん坊の世話で眠ることもできなくなったメアリーは実家に帰ってしまいます。赤ん坊ときたら、すぐにぶつぶつの吹き出物までできちょうのです。世話をするヘンリーの頭に、さまざまな妄想があらわれます。
パネルヒーター(ラジエーター)の間の光の中に舞台があらわれて、異形の娘がおどりながら、蛇のような、大きな精子のような小動物を踏みつけながら歌う風景。
ときどき、美しい女性がうつるシーンがちらっと混ざっていたのですが、なんと、その女性がいきなりヘンリーの部屋に現われ誘惑し、泉となったベッドで抱き合いながら水に沈んでいくと・・。
いつもの妄想の舞台にヘンリー自身が登場し、異形の女の子にふれると突然消えて・・・。ヘンリーの首がポトンと落ち、ヘンリーの体からは頭のかわりに、あの怪物の赤ん坊の頭があらわれて・・・。
一方、転がって行ったヘンリーの首を道で拾った男の子は鉛筆工場に持っていくと、彼の脳にドリルが打ち込まれ、取られた材料で作られた消しゴムつき鉛筆は合格品となって・・・。
ふと、気づくと、ヘンリーは自分の家にいます。赤ん坊の体を覆っている包帯を切り除くと・・。
ね、全然わからないでしょ。本当にイメージの切り重ねなんです。この作品を独立してみるというより、これまでのリンチ作品の謎ときに必要な映画ということでしょうね。
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