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ランジェ公爵夫人

2008年04月07日 12:12

ランジェ公爵夫人

ランジェ公爵夫人バルザック小説が原作です(La duchesse de Langeais)。舞台は、ナポレオン時代のパリで、上流階級の男女は恋愛遊戯に毎日毎日勤しんでいます。
 恋愛遊戯といっても、言葉の駆け引きなんですよね、ほとんどは。
 ランジェ公爵夫人は社交的な女性で、毎日舞踏会パーティを飛び回っているのですが、ある日、ナポレオン軍の将軍で、砂漠で一命を落としそうになりつつも命令を果たし、国の英雄となったアルマン・ド・モンリヴォー公爵将軍)に会います。彼は、足が不自由で踊ることはできませんが、公爵夫人は彼に興味を覚え自分の家にきて、冒険譚を聞きたいとせがむのです。モンリヴォーは「彼女恋人にするぞ」と自分に誓うのですが、彼女はじらしてじらして、指一本ふれさせず、手へのあいさつのキスしかゆるさないのです。公爵夫人の叔母の夫であるヴィダムは、「ああいった男を弄ばないようにしなさい」と忠告するのですが、彼女はききません。
 とうとう、苦しみぬいたモンリヴォーは友人たちとともに、舞踏会帰りの公爵夫人を誘拐するのです。しかも、許しを乞う彼女に、今度はモンリヴォーが指一本ふれず舞踏会に帰してしまうのです。公爵夫人は、今度はみずからがモンリヴォーを愛していたことを自覚して、毎日恋文を書き、空の馬車を将軍の家の前に送るのですが、まったく返事もしてくれないのです。
 意を決して彼女将軍の家に入ると、自分が送った封筒が未開封のまま束になっているのを見つけます。3時間後に会ってくれないければ私は消えてしまうという手紙を残した公爵夫人ですが、友人と語らいながらモンリヴォーが時計を見ると、なんと時計が止まっていたのです。
 公爵夫人は思い余って、マジョルカ島の・・・・・。
 将軍は再び友人を呼び・・・・。
 ところが、彼らが見たものは・・・・。

 恋の駆け引きというものがない日本にあって、こういった映画はわかりにくいのですが、その心理のひだまで強烈に映し出す魔法の映像によって、眠かった僕でさえ、一睡もせず見ることができました。

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