- 名前
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- 外見はまじめ。60歳代だけど禿げてませんよ。小柄だけど、体力あります。性格はのんびり...
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スキャナーダークリー フィリップ・K・ディックの原作
2008年04月26日 17:02
またまたPKディックの映画です。といっても公開直前の「NEXT」ではありません。
2年前の新宿で見損なった「スキャナー・ダークリー」をDVDでみました。
早くからAMAZON.COMから入手していたのに、それを入れたiPodを無くしてしまって、いつのまにか見ないままになっていました。
「暗闇のスキャナー」が原作小説の邦訳です。例によって、自分が自分であるという自己同一性が破たんするお話です。しかも、麻薬である(正確に言うと麻薬ではないのです。法律で麻薬とか覚せい剤は異なる法律で取り締まっているのです)物質Dという薬に侵されてどんどん悲惨な事態になります。
PKディック本人が薬でぼろぼろになった経験があって、その経験がこの本を書かせたのだと思います。後書きに、死んでいった友人たちの名前と疾患(薬でどこをやられたか)が羅列されているのですが、本当にすさまじい数です。その献辞はこの映画でも、ラストにあらわれます。
さて、あらすじですが、キアヌ・リーブス演じる潜入麻薬捜査官ボブ・アークリーが主人公です。彼自身、平凡だが経済的にも、社会的にも、家族的にも恵まれた環境を捨てて、麻薬の道に入り込んでいる現在があるのですが、彼は今、組織から物質Dの栽培・販売ルートを解明するための仕事を言いつかっています。かつて家族が住んでいた彼の家は、今ではジャンキー(麻薬におぼれた人たち)が集まり、あやしげな会話ばかりをしています。ボブが今、好意を寄せているドナも、「コカインのやりすぎでセックスはできないの」と、すげないことをいいます。彼の家にはスキャナーと言われる監視カメラが多数設置されていますが、それを監視している組織にさえ、ボブが捜査官であることを悟られてはいけないのです。ボブたち捜査官は組織の建物内では特殊なスーツを着ることで、誰だか分らないようにしています。そうしたスーツをつけた上司にボブはボブ自身の監視も命令されるのです。
物質Dに溺れていくボブ、彼を麻薬撲滅組織に裏切って売ろうとする居候のジャンキー・・。結局、ボブの精神は・・・。
廃人となったボブは矯正施設に入所し、労働療法として農作業を命じられるのですが、その農場には・・・・。
ラストが痛ましい物語です。
他のディックの作品の映画化よりもずっとずっと作品の本質の映画化に成功していると思います。でも、重いし、つまらないっていうのが一般の評価だろうなあ。
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