- 名前
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- もう海外在住29年、定年もそろそろ始まり、人生のソフト・ランディング、心に浮かぶこと...
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ホランド ニュー(新鰊)
2007年12月27日 09:24
クリスマスイブの宵、16になる娘はディズニーの「ダンボ」を一人で見ており、それは先週ベルギーのテレビ局の子供番組で放映したものを私が録画しておいたものだった。 そのとき、録画しながらもう50年ぶりぐらいで幼稚園児ほどの自分が見たものを今、子供が見ているというような妙な気分になったのだが、そのあと夜中に一人で時間を持て余して、さて、何を見ようかとヴィデオの棚の中をごそごそしていると古いヴィデオが出てきたので手に取った。
もう10年ほど前に蚤の市かガラクタ市で買ったものかもしれない。 当時はオランダの貨幣ギルダーか、もうユーロに統合されていたのかもしれないがいずれにしても日本円で100円ほどのものだったのだろう。 だれも気にかけない古い記録フィルムだ。
北ヨーロッパでは古くから北海の魚は食料として重要でタラ、ニシンがとりわけ値段は別として価値の高い魚である。 日本でも北海道の江差追分などで歌われるようにニシンは北の魚として関東以北では明治か大正のころまでは沢山獲られていたようだがあるときから途絶えたように言われている。 大量に捕獲しすぎて商業的に絶滅したのだという人がいる。 北海でも同じような事情がこの10年ほどで起こっており、絶滅を防ぐために北海周囲の国で保護協定を結び何年かは捕獲を停止するか、抑えたようなことがあり、その効果がでたのかまた一定の捕獲高を設けて獲りだしたため市場には昔と同様潤沢に出回っているようだ。
けれど、我々の食糧事情、食生活の変化は70年ほどまえに比べて大きく、ニシンにしても当時は子供の小遣いの小銭程度の値段だったものが今ではオランダでは一尾200円近くまで上がっていることとオランダ人にしても海洋国であったにもかかわらず魚離れが進んでおり昔に比べると需要が大きく減っていることも捕獲高制限を設けても大きな反発がでなかった一因かもしれない。
このフィルムはどのようにしてニシン漁が行われるのかを記録した1930年代から1950年代の終わりごろまでのモノクロフィルムで色々な点で興味があった。
5月の初め頃に出漁して5−7週間ほど北海に出てスコットランドの沖辺りまで出漁するようなエンジン付き中型漁船の生活が示され、そこでは小学校を上がったばかりのまだ子供の風貌が濃い小さい体に長靴、かっぱに身を包んだ見習い漁師が口にタバコをくわえているのも見られ、漁師達の分業の様子と激しい労働が当時の第一次産業に従事する一般の労働者が汗とながす形態を見せている。 現在の機械による自動化、省力化でこのフィルムで見られた数百隻の漁船も同じ港で毎年行われるニシン漁の祭りの際には3隻ほどで殆ど自動化され大型の漁船に少ない乗組員の様子が昔の船員のイメージとノスタルジーを大きく変えた、というのをドキュメントで見たのはほんの半年前ぐらいだった。 だから、このフィルムではその昔からの伝統的な様子が見られるので懐古趣味に安心して浸れるのだ。
ちょうど毎年、この頃になるとチャップリンやバスターキートンの無声映画がテレビで放映されるのだがこのニシン漁のヴィデオもそのころのドキュメントとしてチャップリンやキートンが今でも我々に感興を起こさせるのと同じように私がほぼ毎週口にする生のニシンの味にもノスタルジーと生き生きした趣をあたえてくれるのだ。









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