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クリスマス、には全く無縁ですが

2007年12月22日 16:49

クリスマス、には全く無縁ですが

竹中工務店労災隠し、作業員の重傷報告せず(読売新聞 -12月19日 18:24)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=366559&media_id=20

私も9年半ゼネコンにいた人間として、それとこういった事件が最近表に出ることが多くなったので、かつ、私の今までの経歴は、少なく共このMIXI上にはアップしていませんので、一言。

実はこういう話は昔からあります。建築工事にせよ、土木工事にせよ、
事故災害で工事完了するのがまあ当たり前だと思われるでしょうが
実際には下記の様な理由でなかなか難しいという事情があります。

・建設市場自体、ピーク時(バブル期)の2/3程度になっている。
・よって工事案件自体の建設会社同士の競争は激化している。
・特に「設けがいある」公共工事は、下手すると半減→利益率悪化
ゼネコン自体もリストラなどで縮小均衡しようとしているものの
 今後の技術継承・発展のため一定の規模は必要(コスト要因)
・他方、世界的要因により鋼材や資材などの値上がりは止まらない
・そういった「値上がり」は民間についてはほぼ認められない
 (他社に発注を変更されるだけ)
・そうなるとどうしても、工事原価抑制を協力業者に要請する事になる
・原価抑制→施工効率向上・要員原価抑制:作業員日給抑制に向かう
・作業員日給抑制→作業員の従事時間増、作業員の施工能力
 →事故発生確率の増大(ハインリッヒの法則

ここまではまあ筋道ついて説明できる話ですが、もう一つ要因が。

昔、私が携わっていた頃は、結構「業者」が「役所」に出入りが出来、
日頃から「懇意」にさせていただいていて、いざという時にその筋から
「押さえて貰う」ことも良くありました。最近はないようですが。

※一例:一般にはあまり知られていませんが、東京湾アクアラインでの死者(労災)は10名おられます。また、青函トンネルであれば34名おられます。いい悪いはともかく、不可抗力的に事故に遭われる可能性は少なくとも建設工事においてはゼロはありえません。

で本筋論で、なぜ「労災隠し」をするのかですが、先程列挙した要因に
加えまして下記の事情が絡みます。
労災発生→報告→監督署の調査→結果、というプロセスで確実に工期遅れを来たす(発注者にすれば、特に民間であれば、一日でも完成が遅れるということは、その分様々な負担が:特に借入金利:増大することを意味する)。
・下請負者にしても、労災の事実をあまり声高にすると、次回からゼネコンからの発注を止められる(うざいから)→言い出しにくい
ゼネコンは元々そういった事故をあまり表沙汰にしたがらない(昔からの流れもあるでしょう)

以上の事情が複雑に絡んでいます。下請けさんの立場からは当然異論があろうかと思われます。よろしくお願いいたします。

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