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官能小説

2011年06月22日 14:07

バストの先端が大きな手のひらの中心で転がされている。
くすぐったいような感覚が次第に軽い痛みを伴いはじめた。
それは突起が硬く尖ってきたことの証拠だった。
痛みといっても不快なものでなく、萌の大脳に直接刺激を送りこまれているような感覚。
無意識のうちに萌の背中は弓なりに仰け反り、自ら乳房を幸介の手に押し付ける格好になっている。
(違う・・・慎二さんとは違う)
夫の行為は優しさを土台にしている。
常に萌の感度を確かめながらしてくれるのだった。
幸介の手の動きも優しくはあったが、そこに意思のようなものが感じられた。
「だ、だめ・・・」
ようやく解放された萌の唇がそう呟いた。
“いや”が“ダメ”に変わっていた。
幸介の行為を拒否するのでなく、このまま続けられたら自分を忘れてしまいそうな萌が選んだ言葉だった。
幸介はバストへの行為を休むことなく、あまった左手で萌の髪を撫でていた。
根元から頭部の形にそって緩やかな力が萌の頭皮を刺激していく。
(なんだか優しい・・・)
萌の心に安心感が芽生え
(この男性となら・・・)
熱い塊が下腹部に生まれた。
「・・・」
萌が何か言いたそうな瞳をして幸介の顔を見つめた。
長く続く今の刺激に物足りなさを感じ始めている顔だ。
もちろん幸介にはそれがよく理解できている。
しかし、笑顔のまま動きを変えることはしなかった。
慎二さんなら今頃・・・)
夫との行為が思い出される。
夫は自分を捨てて萌のことを優先してくれる。
萌の思うことをすぐに実践してくれる。
まるで夫自身に人格がないかのようにさえ感じられた。
でも、今萌の身体に触れている男は自分の意思を貫き通してくるのだ。
自分のしたいように萌の身体を使っている。
不思議だったのは、それが不快に思えないことだった。
もっと好きにして・・・そう考えてしまう。
ようやく幸介の動きに変化が起こった。
バストの上で遊んでいた手が萌のボディーラインに沿って下っていく。
少しだけ力をこめているのだろうか、指先が肌に食い込んでいた。
動く指が肌の色を変えて跡を残していく。
確実に近づいていくことを萌に意識させるための行動だった。
幸介の意図どおり、萌の意識はこれから進む先を予測して身体を熱くした。
このペースだとあと3秒。
3秒後には核心に触れられる。
萌は唇を閉じてその瞬間を待った。
意識していないと触れられる前から声を洩らしてしまいそうだったからだ。
割れたワンピースから萌の白い腹部が覗いている。
その腹部が大きく波打っていた。
幸介の指はそのゲレンデを滑らかに下っていき、ショーツの縁で止まった。
(・・・)
ショーツの上を行くのか、下に潜り込むのか・・・
萌にとっては大きな問題だ。
いずれにしろ太腿を固く閉じることにした。
結局幸介は前者を選んだ。
白いシルク生地のショーツはひどく滑らかに幸介の指を運んでいく。
途中萌のヘアーが僅かな抵抗を作ったが、かえって指の動きを萌に知らせることとなる。
それを過ぎたとき、萌の身体が軽く跳ね上がっていた。
(あっ、そこ・・・)
その刺激はあっという間になくなって、かわりにクチュと言う音が萌の耳に届く。
濡れてる・・・)
そんなことは随分以前にわかっていたことだったが、あらためて音として聞いたとき萌は自分が感じてしまっていることを確認させられた。
いつの間にか閉じていた太腿から力が抜け落ち、隙間を作っていたらしい。
幸介はいとも簡単に結界を越えて萌の中心を楽しんでいるようだ。
「幸介さん・・・恥ずかしいから」
絶え間なく聞こえてくる音が萌の羞恥心をあおっていた。
「っあ」
今度は左の乳首を強く吸われて背中が大きく仰け反った。
萌の声を合図に幸介の口は乳首を咥え込み、舌の先でそれを転がすようにした。
萌の膝が曲がる。
股間に置かれた手がそこに振動を送って来たのだ。
(な、なに・・・こんなの初めて!)
「あう・・・」
萌は歓・喜を伝える言葉をかろうじてのみこんだ。

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