みどり-173

有り難う、と言って唇にそっと口付けしてくれます
あたしこそ

「貴方の子を有り難う。　お仕事、もう行ってらっしゃい」

幸千の頬に手を当てて
あたしに頷き出て行く笑顔の京介
真っ赤な顔
やっと抱けました
今までで一番大きい
どっちに似ているの?
京介みたいな気がする
あたしを見詰めているわ
もう見えているのね
幸千・・・お母さんよ、宜しくね
暫くお別れだけど
直ぐ抱いて上げるから辛抱するのよ


部屋に戻ると雅恵と透さんそれに両親と子供二人も
六人から祝福されます
娘に・・・出来たみたいね
元気な子になる、と言うと

「えっ、まだ一ヶ月遅れているだけで、彼にも言ってないのに」
「あたしは貴女のお母さんよ・・・一目で分かった」
「元気な子供?」
「ええ、貴女も子供も」
「良かった」
「お母さんにみんな任せなさい」
「うん、そうする。　有り難う。　一つ違いの叔父さんね」

二人で抱き合い大笑いしていると、透さんが、
「俺行くね、夕方また来る」
と言って出て行きました

　　　　　　　・・・つづく