みどり-07

彼は二本目を別の銘柄で注文します
ワイン２本を飲んでも全く平気の様子

「お酒、強そうですね」
「ワインですよ、これ」
「でも・・・２本も」
「ワインはジュースと同じです」
「何時も外食では寂しいですね。　
　それに、特に夜が・・・あっ」

他人、しかも男性だと言う事を忘れ、
ついつい口が滑ってしまいました
「確かに夜家に帰っても明かりが点いていないし、
　寝る時は寂しくなりますね・・・でもそれを言えば
　知佳さんも同じでしょう?」
「一人になった最初頃は寂しい思いがしたけど、
　一年以上経つ今はこの方が楽で良いみたいです、あたし」
「しかし、寂しいからパチンコ、夜しているんじゃ無い?」
「うーんそれは、有るかも知れません」

「付き合っている彼氏とかは?」
「いません、そんなの怖くて・・・貴方は?」
「居ないです」
「へー、藤野さんだったら声掛ければ直に出来そうなのに」
「こんな年のおじさんではもう無理ですよ」
「そんな事無いです・・・だって格好いいもの
　・・・それに声と話し方が素敵」
「スナック何かでカラオケを歌うと、声は良いとよく言われ
　ますね。　声は、ですよ・・・誰も上手いと言ってくれない」
「あら、カラオケお好きなんですか?」
「はい良く行きます。　ボトルもここの近くで５軒に置いて
　いますし」
「へー、良いなー、あたしもカラオケ大好き」
「そうなの、じゃこれから付き合ってくれます?　
　週末は必ず何件か行くので」
「ええ、嬉しい。　何年ぶりかしら、スナックなんて」
「車は何処に?」
「そこの駐車場」
「どうします、そのまま止めて置く、それとも家に一度帰る?」
「そのまま止めて置きます」
「それじゃ行きましょう」
「遠いんですか?」
「いえ、直そこ、４・５分」

　　　　　　　・・・つづく