母-22

　　　それからは毎日の様にしたがりましたが、
　　　週に一回と決め、それを直人も守りました
　　　めでたく筑波に翔君と一緒に合格
　　　後で知りましたが、直人が１番で翔君が２番だった
　　　そうです、
　　　我が息子ながら感心します
　　　最難関の高校の一つに入るのですから
　　　これも主人の遺伝です

「僕お父さんと約束したんだ・・・同じ大学の同じ学部に入ると
・・・だからこの高校は絶対なんだ」
「そうだったの、お母さん知らなかった」
「ほら、これ・・・僕が小さくて忘れても、
　これを見れば思い出すと言ってた」
「何、これは」


　誓約書
　平成１３年１月１日に書いている
　とうさんと同じ大学に入る・・・と　

　全く知らなかった、こんな約束していたなんて

「僕は３年生だった、忘れた事なんて無かったんだ
　・・・その頃の事なんて殆ど覚えていないのに、
　この事だけは」
「直人は凄い人間・・・お父さんとの約束、守るのよ」
「当たり前さ・・・高校でも翔と学年で１番を争う・・・
　僕が勝つけどね・・・でも油断は絶対にしない」

「もう一つお母さんに伝える事があるんだ」
「何かな？・・・いい事？」

「有香のバージン、先週に貰った」
「あら」
「約束していたんだ・・・筑附に入ったら、
　合格祝いにあげるといって」
「へー、そうだったんだ・・・有香ちゃんが、
　そんな事言ったの？」
「ああ、凄い奴さ、有香は」
「有香ちゃん、お母さんの高校の後輩になったのよね」
「そう、あいつも頭はまずまずだな」
「へー、お母さんもまずまず、なのね」
「あっ、ご免、今の失言・・・あいつも頭がいい」

　　　　　　　・・・つづく