麻辣湯

今日は一日いろいろあって、夜になってようやくひと息つけたころ、どうしても “あの味” が恋しくなった。気づけば足は自然と、楊國福の麻辣湯の穴場的な支店へ。他の店舗はどこも大混雑なのに、ここだけはいつ来ても落ち着いていて、まるで自分だけの隠れ家みたいだ。

ちょっと“流行りに乗っかっている感”があって照れくささもあるけれど、やっぱり好きなものは好きだ。

今回の主役はなんといっても水餃子。噛めば中から旨みがしっかり溢れ、堂々とした存在感を放っていた。熱々のスープをたっぷり吸った板春雨はつるりと喉を通り、豆苗はシャキシャキと瑞々しく、バラ先軟骨はコリッとした食感と脂の甘みがたまらない。

気づけば2,000円を軽く超える贅沢な麻辣湯になっていたけれど、その少し背徳的な感じもまた美味しさの一部。

好きなものをゆっくり味わうだけで、こんなにも満たされるんだな、と改めて思った夜だった。